法律相談にて、弁護士から現実をきかされたとき、パニックになって冷静な判断ができない状況に陥る相談者が少なくありません。
また、
「急がば近道」
の思考回路となり、
「急がば近道が正常」
という状況になる相談者もいます。
「特効薬」
「速攻で解決する方法」
を模索するあまり、
「冷静な状況認知・状況解釈・状況評価・課題整理・秩序だった選択肢抽出・合理的試行錯誤」というこの種の
「正解も定石もない事案対処」
において取られるべきステップが、頭に入ってこない状況のようです。
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まず、持つべきは、未知の課題や未達成の成功に対する「謙虚な姿勢」です。
正解もなく、あるいは正解も定石も不明な課題です。
「こうやれっばいい」「こうすべきだ」「正解はこれだ」「絶対このやり方がいい」
とこの世の誰も断言できることができない課題です。
なぜなら「正解もなく、あるいは正解も定石も不明な課題」だからです。
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著者は、企業法務を取り扱っていますので、当然ながら、相談者の多くはオーナー経営者です。
日頃、会社経営のかじ取りをしているのですから、さまざまな難局は乗り越えてきていることは想像に難くありません。
それでも、
「正解も定石もない事案対処」
おいて取られるべきステップが、頭に入ってこないのは、
左脳では、
・大事である=簡単にはいかない=専門家の動員も含めた相応の時間とコストとエネルギーがかかる
・正解や効果的な対処法がない=ありとあらゆる試行錯誤をやってみるほかなく、「専門家」に頼んだら、一瞬で解決するような安直な方法がない
ということは、理解できる。
他方で、右脳では、
・大事ではない(と思いたい)=簡単なこと=自分で何とかできるし、それほど、時間もコストもエネルギーもかからない
・探せば、どこかに、正解や安直な方法や、一瞬で都合よく解決できる専門家がいるはず
と思いたい、というバイアスが働くからでしょう。
作戦行動に必要なのは、ファンタジーではなく、リアリティです。
プロジェクトオーナーの脳内がファンタジーであれば、作戦はまともに構築できませんし、機能もしない、ということなのです。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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