01939_有事の際の心得_弁護士とのコミュニケーション

有事の際、弁護士は、
「目的優先、効率重視、無駄な儀礼軽視」
のコミュニケーション に徹し、クライアント側からすると腹立たたしいほどわかりやすく現実を伝えます。

それは、 ひとえに
「長期的にはクライアントの利益」
のためであり、 (クライアントの)課題や対処事項、その方向性を適正にするためにほかなりませんが、 なかには、
「わたしはクライアントです(もっと丁重に扱われるべき存在です)」
「ここまで無能扱いされるとは心外です(現実をみせないでください)」
「もっと礼儀をわきまえた言い方をしてください(もっと丁寧にやさしく言ってください)」
と、 激怒する方も少なくありません。

弁護士としては、クライアントが望むのであれば、
「目的優先、効率重視、無駄な儀礼軽視」
ではなく、
「目的後退、儀礼優先」
として、ジェントルで、エレガントなコミュケーションを図る方針に大転換することも可能です。

わかりやすくいえば、クライアントが望むのであれば、弁護士は、 腹立たたしいほどわかりやすく現実を伝えるのではなく、ふわっと曖昧でクライアントの耳に心地いい会話に大転換することも可能です。

しかし、その瞬間、クライアントは、
「時間」

「機会」
を喪失し、結果として、利敵の結果を生み、長期的にはクライアント自身の利益を大きく損ねる結果になり得ます。

すべてはトレードオフといえましょう。

クライアントは、
「何を優先させたいのか」
を、よくよく
「思考」
し、
「選択」
しなければ、事態の改善・解決に向かってすすむことはできない、ということです。

厳しいようですが、これが現実なのです。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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