任意整理について、
「債権者宛への提案においては絶対的正解ともいうべき提案モデルがある」
という前提をもつ債務者は、少なくありません。
しかし、相手側(債権者)の
「同意する」
「同意しない」
という態度に依存する課題である以上、この前提自体には異論を唱えざるを得ません。
もし、”絶対的正解”が存在する前提で弁護士に相談するならば、弁護士は能力以上のことを求められることとなり、相談者にとっても、弁護士にとっても、不幸な帰結となります。
だからといって、
「任意整理の提案で相手側(債権者)の同意を得ることができないのであれば、民事再生の移行を検討する」
として、債務者が、
「民事再生の手続き帰結においても、(トレンドや一般傾向ではなく)絶対認可されるような正解となるべき計画立案モデルがある」
という前提で相談をしてきたとしても、弁護士としては、その前提に同意はできません。
たしかに、民事再生の1つである小規模個人再生では
「8割カット、分割弁済」
という
「トレンド」
が、あるにはありますが、絶対というわけではないからです。
教条主義的な立場(信用保証協会や政策金融公庫)や、弁済率向上を狙う一部信販会社が、不同意で、計画を潰す、という例も少なくないのです。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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