02037_反対尋問が不安(教えて!鐵丸先生Vol. 49)

<事例/質問>

今度、証人尋問があるのですが、反対尋問ってどんな感じなのでしょうか。

テレビドラマ等を見ていると、弁護士さんが鋭く切り込んでくるイメージがあり、不安です。

憂鬱になり、夜も寝られません。

何か、うまく切り抜けられるためのコツとかありますか?

<鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南>

民事裁判における証人尋問は、テレビドラマのように弁護士が議論をふっかけたり、無知な証人をやり込めたりする場面ではありません。

証人は
「証拠方法」
すなわち
「証拠の道具」
「事実の痕跡が記憶された脳の記憶領域を確認する手続き」
です。

その結果が尋問調書に記録され、証拠資料として取り扱われます。

民事訴訟法では、尋問手続きがつつがなく運ぶように、証人尋問中に無意味で有害な行為が行われる場合には、反対当事者の弁護士が異議を申し立てることができます。

たとえば、弁護士が証人に意見を求めたり、困惑させようとしたりする場合、気の利いた弁護士は
「この質問は意見を求めていますので異議を申し立てます」
と具体的に述べて、裁判官に異議を認めてもらうようにします。

証人尋問の目的は、証人が記憶している事実を確認することです。

証人が意見を述べることは許されていませんし、証人尋問はクイズや記憶テストではないので、覚えていないことは
「忘れました」
と答えればよいのです。

証人尋問は
「記録(記憶)再生手続き」
であり、証人が知っている事実を再生するだけで十分です。

また、証言の際には、既に証拠として提出されている陳述書やメモを確認し、記憶を呼び覚ますことも可能です。

証人尋問は
「記録再生」
という即物的な手続きであり、弁護士が感情的に攻撃したり議論をふっかけることはありません。

証人は自分の知っている事実を正直に話すだけでよく、緊張する必要はありません。

詳細は、以下をお聴きください。

https://audee.jp/voice/show/63960

※「教えて!鐵丸先生」のコーナーは、番組の4番です

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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