02043_裁判所が下す判決で変な判決やおかしな判断はあるか?なぜ出るのか?(教えて!鐵丸先生Vol. 55)

<事例/質問> 

プロの弁護士として、裁判所が下す判決で、変な判決とかおかしな判断とかってありますでしょうか?

それってどうしてそんな判決が出るのでしょうか?

<鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南>

裁判所の判決には、一般の感覚からすると変わったものやおかしな判断に見えるものが確かにあります。

これは、裁判官が独立して職務を行い、自分の判断で判決を下すことができるためです。

憲法第76条第3項では
「裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される」
と規定されています。

裁判官はその良心に従って判断を下すことが求められており、誰の指図も受けません。

たとえば、私立小学校で学級委員を決める際に、生徒の住む地区によって投票権を不平等に配分する教師がいたら、その教師は解任されるでしょう。

しかし、日本の国政選挙では、鳥取県や島根県などの人口が少ない地域の有権者が、東京都や神奈川県などの都市部の有権者に比べて相対的に多くの票を持っています。

このような不平等が長年にわたり続いていますが、最高裁判所は
「違憲とは言えない」

「違憲だが重大ではない」
と判断しています。

このような判決が出る理由の1つは、裁判官が専門的な視点から法律を解釈し、判断しているからです。

法の専門家としての視点を重視することで、時には一般の感覚とずれることがあります。

その結果、
「変な判決」
と受け取られることがあるのです。

また、裁判官の選定プロセスも影響しています。

裁判官は司法試験に合格し、その後の研修を経て任命されますが、選挙で選ばれる国会議員とは異なり、民主的な基盤がありません。

そのため、国民の意見や感覚と異なる判決が下されることもあります。

さらに、最高裁判所の裁判官に対する国民審査は形だけのもので、実質的な影響力はほとんどありません。

裁判官は、独立して判断を下すことができる特権的な立場にあります。

これが、時に奇妙に見える判決を生む背景です。

たとえば、江戸時代の
「御用商人」
が幕府から特権を受け、他の商人とは異なる扱いを受けたように、裁判官もまた法の解釈において特別な権限を持ちます。

そのため、裁判官の判決が一般の常識から外れて見えることがあるのです。

現在、このような投票価値の不平等や裁判官の独立性に関する問題に対して改善の動きがありますが、その進展には時間と努力が必要です。

法の適用においては、裁判官の独立性と専門性が重要な要素である一方で、その判断が一般の感覚と異なる場合があるという点を理解することが求められます。

詳細は、以下をお聴きください。

https://audee.jp/voice/show/74672

※「教えて!鐵丸先生」のコーナーは、番組の4番です

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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