01431_ネットトラブル対策法務>ネットトラブル対策法務(フェーズ2)>経営政策・法務戦略構築フェーズ

ネットトラブルを予防・抑止するための組織設計上の戦略的対応を考える上で、例えば、下記のようなネットトラブル事例を検討してみます。

【図表】(C)畑中鐵丸、(一社)日本みらい基金 /出典:企業法務バイブル[第2版]
著者: 弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

以上のネットトラブル事例については、
「かつて不祥事を起こして事業廃止した企業」
の支配株主であった者が、ストレートに新しい企業に出資したことが暴露され、これがトラブルの根本原因となっています。

このようなトラブルに関しては、ビジネスの設計・企画段階において一定の工夫をすることで、 トラブルそのものを予防・抑止することが可能です。

具体的には、ネット上の誹謗中傷を誘発しやすい
「かつて不祥事を起こして事業廃止した企業」
の支配株主であった者が事業を立ち上げるような場合であっても、当該オーナーがストレートに新しい企業に出資するといった単純な組織設計によらず、例えば、民法上の組合を組成し同組合の名義で出資したり、第三者と匿名組合契約を締結し当該第三者の名義で出資するなどの方法を採用したりすることにより、新しい企業の実質的支配者(大株主)が誰であるかを秘匿し、これによりオーナーの素性を原因とするネットトラブルを予防・抑止することが可能となります。

また、
「かつて不祥事を起こして事業廃止した企業」
の取締役を新しい企業の取締役に就任させるようなことはあえて避け、どうしても当該人物の経営手腕を必要とするのであれば、新しい企業との間で経営委託契約等を締結し、例えば
「(実質)オーナー兼顧問」
といった形で、その経営手腕を活かしてもらう、といった方法も考えられます。

以上は一例に過ぎませんが、ビジネスの設計・企画段階において戦略的な事業設計を行うことにより、無用なネットトラブルを効果的に回避しうるケースは少なくありません。

いずれにせよ、これからは、企業が事業を構築する上では、“ネットトラブルに巻き込まれるリスク”を折り込んだ、多角的な検討が必要になる、といえます。

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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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