手形法は、理論、体系ともに精緻かつ難解であり、手形の取り扱いには、本来、高度な知識が必要です。
従って、まず、手形について知識がない方は、取り扱いには十分注意してください。
10年、20年と商売をやっていた方でも、油断は禁物です。
定型的な取引決済のため、上場企業から比較的短期の手形を振出してもらい、銀行で割り引くだけであれば問題は少ないのですが、振出人の素姓もよく分からない手形を受け取ったときには、知識がないと大きなトラブルに巻き込まれます。
もちろん、手形のことを勉強してもいいのですが、この
「手形法」
という代物、相当難解で、ちょっとやそっとで理解できるようなものではありません。
旧司法試験においては、商法の論文試験で毎年1問、手形法の問題が出されていましたが、理論的に難解で、何年勉強しても誤答してしまうリスクがつきまとう厄介なもので、受験生泣かせの科目でした。
そういうこともあってか、新司法試験においては、論文科目からは外されました。
そんないわくつきの法律科目です。
以上のとおり、手形法は、弁護士になるため相当勉強した人間ですら理解が困難であったり、ギブアップすることが予測されるため試験科目としても難解すぎるという理由で排除されるような高度な理論体系です。
一般の経営者が正しく理解して、きちんと取り扱うのはかなり難易度が高いもので、普通に考えれば、近づかないか、取扱うとしても、詳しい弁護士に聞いて慎重に取り扱うべきです。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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