商品を販売したり何かしらのサービスを提供することを目的として、電話で消費者を勧誘して、その後の手続きはすべて郵便で済ませてしまう取引を
「電話勧誘販売」
といいます。
電話勧誘販売は、買主が直接お店に行って何かを選ぶのと異なり、不意に電話で勧誘を受けることから簡単に購入を決定してしまったり、周囲に人がいないことから強引に商品の販売等を迫る業者等がいたりすることから、消費者を保護するために、特定商取引法という法律によって、事業者には一定の義務が課されています。
例えば、事業者は勧誘に先立って勧誘の電話であること等を告げなければなりませんし、契約等を締結しない意思を表示した者に対する勧誘の継続や再勧誘を禁止したり、契約内容を反映した書面の交付を義務づけたりしています。
そして最も大きな規制は、クーリングオフの規定を設けなければならない、ということです。
つまり、電話勧誘販売を行う事業者は、消費者から契約から8日以内に契約の解除を申し込まれた場合、無条件でこれに応じなければならないのです。
もちろん特商法には規制適用業種が決められています。
例えば、プロバイダ業務は
「通信事業」
に該当しますが、通信事業については、特定商取引法は適用外となっています。
これは、通信事業を行うための電気通信事業者としての登録プロセスが要求されることと関係しています。
すなわち、プロバイダ業については、商売を始めるにあたって
「電気通信事業者として登録した」
と言っているとおり、国が事業者をいったんチェックしていることから、
「(国からお墨付きを受けた)通信事業なら、無茶苦茶する奴はおらんやろう」
と思われることから、
「重ねて特定商取引法の適用までは不要」
と考えられているから、そんな理由のようです。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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