「ミエル化・カタチ化・言語化・文書化・フォーマル化」
には、多大な時間とエネルギーを費消することを頭に入れておかなければなりません。
ここで、注意しなければならないのは、裁判制度を利用するにあたっての
「状況の調査、功利的状況構築、構築状況に照らした法的メッセージの設計、法的メッセージ」
の
「ミエル化・カタチ化・言語化・文書化・フォーマル化」
は、社内対応可能な内製課題として対応可能なものではない、ということです。
「法的メッセージ」の「ミエル化・カタチ化・言語化・文書化・フォーマル化」を
「企業内活動の言語化・記録化・文書化(株主総会や取締役会の議事録作成)や取引活動の文書化(契約書作成)」
と同じようなもの、と捉えるのは、危険です。
要するに、企業外の敵対勢力(取引トラブル・法令違反に対する当局による不利益措置など)や企業内の敵対分子(労働問題・内部統制問題など)が生じた場合、直接これらカウンターパートと対向して解決を働きかけるための、
「状況の調査、功利的状況構築、構築状況に照らした法的メッセージの設計、法的メッセージのミエル化・カタチ化・言語化・文書化・フォーマル化」
については、社内対応可能な内製課題ではありません。
なぜなら、その状況と似たような判例を精査・分析し、規範ないし要件抽出を行い、当該規範ないし要件に該当しないような状況構築設計を行った上で、あらためて状況を調査し、その上で、
「功利的状況構築、構築状況に照らした法的メッセージの設計、法的メッセージのミエル化・カタチ化・言語化・文書化・フォーマル化」
を行わなければならないからです。
裁判例を読解する時点で、(たとえ法務部に属しているとしても)サラリーマンでは対処不能であろう、と推察します。
結局のところ、
「弁護士費用や裁判所利用料としての印紙代という外部化客観化されたコスト」
さえ支払えば、すぐに、解決できるようなものではなく、気の遠くなるような時間と資源を動員することを、理解しておかなければならない、ということです。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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