01816_ステップ2:法的主張構築

弁護士は、クライアントからのファクトレポーティングをもとに、法的三段論法を用いて法的主張を構築していきます。

法的三段論法とは、
「規範があり、事実があり、その上で結論が出る」
というプロセスのことで、
大前提(法解釈)
小前提(事実認定)
結論
によって構成されます。

弁護士は、
1 クライアントからのファクトレポーティングを小前提とし
2 法規範(場合によっては裁判例等を手がかりにして)を大前提とし、
3 ズレを手当・修正しつつ、
4 結論づける
このような手順で、テーマ毎に法的主張を構築していくのです。

さて、企業法務において必要とされる三段論法は、弁護士資格があれば誰でもすぐに構築できるわけではありません。

というのは、企業法務において要求される三段論法と、弁護士資格を得るプロセスで学ぶ法的三段論法とは、ずれてしまっているのが実情だからです。

企業法務における大前提である、労働法(ヒト)・環境規制や表示偽装に関する不競争法等(モノ)・金商法や有価証券上場規程や銀行取引約款(カネ)・知財法等(チエ)、営業に関しての独禁法(B2B)や消費者保護規制(B2C)は、司法試験の必修科目とはされておらず、選択科目として1科目、個別で勉強する機会がある、あるいはロースクールで選択科目として学ぶ、という形でしか触れません。

そして、小前提は、日常の企業活動となりますが、サラリーマン経験があれば格別、社会人経験がないほとんどの弁護士は、企業活動や企業社会の実情は、まったく知見をもちません。

このようなことから、企業法務について相談するには、自ら会社を経営しているなどして企業経営に格別強い弁護士が適しているといえます。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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