弁護士は、クライアントからのファクトレポーティングをもとに、法的三段論法を用いて法的主張を構築し、相手方に対して、これをぶつけていきます。
この圧力が契機になって、裁判外交渉の場ができて、そこで、圧力と対話を織り交ぜた解決に向けた協議が持たれる可能性も出てきます。
しかし、クライアントと相手方の利害対立がシビアで、裁判外交渉で妥結することが非常に困難な場合は、交渉は決裂します。
そこで、次に、裁判手続きを用いて、事態を大事(おおごと)化して、相手の資源動員負荷をかけて、事業資源を消耗させる営みに移行します。
ここで、重要なのは、目的は勝つことではなく、戦いを継続し、相手を戦場に引きずり込み続け、泥沼化させることです。
手数(てかず)は多ければ多い方がいいでしょう。
そして、相手方が、些細なミスやエラーをすれば、どんどん訴訟に持ち込んでいくのです。
場合によっては、この圧力が契機となって、今度は、裁判上での和解交渉という対話の場ができるかもしれません。
そして、裁判上の和解交渉は、生殺与奪を握る裁判所主導の和解となりますので、相手も頑なに拒否すると思わぬ敗訴を食らう、というリスクが出てきます。
要するに、相手は和解交渉という対話の場に出ざるを得なくなる、ということです。
こちらは、もともと負けても結構、相手の資源消耗さえできれば十分、というスタンスなら、強気にでることもできましょう。
そうして、解決に向けた協議へとすすんでいくのです。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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