全体・概括として、
・パワハラ罪やパワハラ禁止法というものは、法律的に明確な定義は存在しません。
・“パワハラ”というものは、不定形で抽象的なものであり、被害者側が、5W1Hを含め、具体的な事実関係と違法性を主張として、固めるまでは、(言い方は不適切かもしれませんが) 会社側としては腕組みして待っていれば足りる話です。
・そして、この具体的主張を行うのは、多大な時間と労力がかかります。すなわち、過去の事実を、想起、見える化、カタチ化、文書化をしていく責任は、被害者側に帰せられる、という前提があります。
会社の対応としては、被害者側に、
「パワハラ、パワハラ」
と叫ぶだけではなく、
「具体的事実関係」
「それが、どのように違法性があると考えられ」
「それによって、具体的にどのような損害が発生したのか」
を明確に文書で主張してもらい、当該事実関係の有無をカウンターパートにも確認し、その上で、会社としての対処を決める、という流れになります。
それまでは、労使関係が存続します。
被害者側が勝手に職場放棄すれば、懲戒の問題が発生します。
情緒的な反応に情緒的にビビるのではなく、そういうシンプルでソリッドな骨格理解の下、淡々と対応するのが吉です。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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