「抱き合わせ販売」
とされる独占禁止法上の要件についてですが、まず、行為要件として、別個の商品やサービス等の役務を併せて購入させることが必要です。
そして、問題になるのが、一般指定第10項にいう、
「不当に」
の解釈です。
これは、買主の商品選択の自由を侵害することや、能率競争の阻害をいうとされていますが、抽象的な要件ということもあり、個別の裁判例を検討していく必要があります。
同種の事例において、大阪高裁判決1993年7月30日は、公正な競争を阻害するかが重要であると指摘した上、確かに安全性の確保も考慮することが必要な要素ではあるものの、
「(親会社の)エレベーターの保守に関しては90%の市場占拠率を有している」
から
「(当該)エレベーターの保守を一手に独占し、独立系保守業者等他の競争者を排除しようとの意図の下に本件各行為を行った」
と断じ、さらに、
「安全性確保のための必要性が明確に認められない」
ために、
「不当に」
抱き合わせ販売がなされた、との認定を行いました。
部品の供給と取り替え工事とは、それぞれ経済的には別個の事柄ですし、独立して取引の対象とされることからすれば、相当な判断といえるでしょう。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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