本ケーススタディの詳細は、日経BizGate誌上に連載しました 経営トップのための”法律オンチ”脱却講座 シリーズのケース11:“金賞”認定偽装で、消費者だまして、大儲け!をご覧ください。
相談者プロフィール:
大雪(おおゆき)酒造株式会社 代表取締役社長 升山 研一郎(ますやま けんいちろう、30歳)
相談概要:
相談者は、父親が急逝したため社長を継ぎ、世界マーケットに向けて新レーベル・新製品を立ち上げました。
ヨーロッパで権威ある
「世界醸造酒品評会」
に出品しようとしましたが間に合わず、次回開催までに間があることから、勝手に
「金賞認定」
と銘打って新製品を売り出したところ、バカ売れしました。
ところが、
「『金賞認定』って、本当かな」
「食品偽装だ、刑事事件になる」
という声が一部インターネットで出始め、同業社長が脅しをかけてき、社内の古参役員まで騒ぎ出す事態となりました。
以上の詳細は、ケース11:“金賞”認定偽装で、消費者だまして、大儲け!【事例紹介編】その1、ケース11:“金賞”認定偽装で、消費者だまして、大儲け!【事例紹介編】その2をご覧ください。
本相談を検討する際の考慮すべき法律上の問題点1: 不正競争防止法とは
商売において
「きちんとした秩序ある、フェアな競争をする環境」
をつくり、あるべき形で、日本の経済発展が達成されるようにするため、不正競争防止法という法律が制定されています。
商品やサービスの中身と全く異なる表示や広告をつけ、実態とかけ離れた
「イメージ」
を生じさせ、これによって利益を上げるといった不当な商売が横行することに対しては厳しく規制されていますし、表示偽装商品の販売禁止、著名なブランドの無断使用禁止、模倣品の販売規制から、営業秘密の侵害禁止、さらには外国公務員への贈賄禁止まで、いろいろな趣旨の規定があります。
以上の詳細は、ケース11:“金賞”認定偽装で、消費者だまして、大儲け!【不正競争防止法とは】をご覧ください。
本相談を検討する際の考慮すべき法律上の問題点2: 商品やサービスについての「ほら吹き」はNG
「誤認惹起行為」
の禁止は、商品やサービスの原産地や、品質などについて誤解を招くような表示を行ってはならないという規制類型です。
これが最もクローズアップされる事例は、食品偽装問題です。
この規制を実効性のあるものにするための手段がいくつか定められており、その1つは、同業他社による民事上の請求で、具体的には、損害賠償請求権、差止請求権等です。
以上の詳細は、ケース11:“金賞”認定偽装で、消費者だまして、大儲け!【商品やサービスについての「ほら吹き」はNG】をご覧ください。
本相談を検討する際の考慮すべき法律上の問題点3: 清酒特級事件判決の教訓
不正競争防止法の
「誤認惹起行為」
に該当するとして起訴された裁判例があります。
酒を製造、販売した事業者に対して、執行猶予付とはいえ有罪判決が下されました。
この裁判例の根底にある考え方は、商品を買う一般的な消費者の主観や認識やさらには情緒や印象等をも基準として、誤認が生じたかどうかを総合的に判断する、という点にポイントがあるかと思われます。
以上の詳細は、ケース11:“金賞”認定偽装で、消費者だまして、大儲け!【清酒特級事件判決の教訓】をご覧ください。
モデル助言:
受けてもいないのに、
「金賞認定」
としてしまったことは明確な法律違反で、表示はすぐにやめるべきです。
同業社長や古参役員の方がおっしゃるように、
「誤認惹起行為」
によって損害を被った事業者から損害賠償や差止請求を受ける可能性は十分考えられます。
この他にも、景品表示法などにも、このような
「商品の内容」
と
「表示」
が著しく異なる場合には、事業者の名称が公表され、行為の差し止めなどの行政処分なども予定されています。
以上の詳細は、ケース11:“金賞”認定偽装で、消費者だまして、大儲け!【今回の経営者・ 升山(ますやま)社長への処方箋】その1、ケース11:“金賞”認定偽装で、消費者だまして、大儲け!【今回の経営者・升山(ますやま)社長への処方箋】その2をご覧ください。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
【本記事をご覧になり、著者・所属法人にご興味をお持ちいただいた方へのメッセージ】
✓当サイトをご訪問いただいた企業関係者の皆様へ:
✓当サイトをご訪問いただいたメディア関係者の皆様へ:
✓当サイトをご訪問いただいた同業の弁護士の先生方へ:
企業法務大百科® 開設・運営:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所