本ケーススタディの詳細は、日経BizGate誌上に連載しました 経営トップのための”法律オンチ”脱却講座 シリーズのケース21:貸せない額じゃないけど、情実融資を拒否したい!をご覧ください。
相談者プロフィール:
株式会社ミセス・アツコ 代表取締役 具足 敦子(ぐそく あつこ、61歳)
相談概要:
本業は順調の相談者は、遠い親戚から事業資金を融資を頼まれ、1000万円を融資しました。
2年後、元本が半分以上残っている状態で、担保の代わりにと親戚20名全員で連名の決意表明書をつけて、あらたに8000万円の融資を頼まれました。
以上の詳細は、ケース21:貸せない額じゃないけど、情実融資を拒否したい!【事例紹介編】をご覧ください。
本相談を検討する際の考慮すべき法律上の問題点1: 情実融資には危険がいっぱい
銀行は、借主が合理的で健全で堅実で、その借主が作成する事業計画が合理的で健全で堅実で、確実に儲かって、カネを返してくれるなら、普通にカネを貸してくれます。
逆に、銀行がカネを貸してくれないとすれば、借主に問題があるか、事業計画に問題があるか、のいずれかまたは双方だからだと推測されます。
他人に迷惑を被らせている人間やこれから迷惑を被らせる人間に限って、眉一つ動かさず
「絶対迷惑をかけないから」
というウソを平然といえるようになるのです。
こういう人間の話をまともに取り合うと、カネを失い、対応するための時間とエネルギーが奪われ、最悪、身を滅ぼすことすらあります。
助けを求めてきた知人や友人を見放すのはどうも気が引けるという場合には、見舞金を出して追い返すべきです。
ビジネスでは、
「感情」
と
「勘定」
は峻別すべきであり、特に、
「かわいそうだから」
という理由で、安易に大金を貸すべきではありません。
以上の詳細は、ケース21:貸せない額じゃないけど、情実融資を拒否したい!【情実融資には危険がいっぱい】その1、ケース21:貸せない額じゃないけど、情実融資を拒否したい!【情実融資には危険がいっぱい】その2をご覧ください。
本相談を検討する際の考慮すべき法律上の問題点2:どうしても貸さないわけにはいかない場合は
まずやるべきは、融資額を小さくする交渉です。
事業計画をみてみると、無駄な経費や、圧縮できるコストがいろいろ紛れ込んでいたり、事業所の賃料も土地勘がないばかりに業者の言い値で高値の粗悪物件を掴まされていたりする可能性もあります。
さらには、運転資金に、社長の報酬が冗談のような額で計上されていたり、というケースもあったりします。
あと、売れるかどうかわからないのに、単に
「ロットが大きい方が単価を下げられるから」
という理由で、冒険的というか無謀な初期ロットを注文する前提で資金計画を立てていたり、ということもあり、とにかく、細かくみるとツッコミどころ満載ということも考えられます。
以上の詳細は、ケース21:貸せない額じゃないけど、情実融資を拒否したい!【どうしても貸さないわけにはいかない場合は】その1、ケース21:貸せない額じゃないけど、情実融資を拒否したい!【どうしても貸さないわけにはいかない場合は】その2をご覧ください。
本相談を検討する際の考慮すべき法律上の問題点3: 一族郎党全員を連帯保証人に
それでも貸さざるをえない状況に至った場合は連帯保証を取ることはできるはずです。
連帯保証人の数や資格に法律上制限があるわけではありません。
以上の詳細は、ケース21:貸せない額じゃないけど、情実融資を拒否したい!【一族郎党全員を連帯保証人に】をご覧ください。
モデル助言:
まずは、御社のメインバンクを紹介して、そちらから融資を受けるよう助言するのが先決ですね。
銀行がすんなり貸してくれるなら、ビジネスモデルとしてそこそこイケてるってことですから。
他方で、銀行が融資を断るのは、まず、返ってくるアテのない案件であり、
「返ってくるアテのないカネを貸すこと」
を世間では
「ギフト」
といいます。
ですので、ギフト額を小さくする方向で交渉してみるのがいいでしょうね。
それも無理だったら、計画のずさんな部分を見直して、融資額を絞り、さらに、全員から連帯保証をとりましょうかねえ。
連帯保証の話を持ち出して、怒って帰ってくれるなら、それはそれでいいんじゃないですか。
シビアになれないのであれば
「8000万円」
のギフトと考えることです。
以上の詳細は、ケース21:貸せない額じゃないけど、情実融資を拒否したい!【今回の経営者・具足社長への処方箋】をご覧ください。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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