本ケーススタディの詳細は、日経BizGate誌上に連載しました 経営トップのための”法律オンチ”脱却講座 シリーズのケース32:法務部って何するところ? 必要なの?をご覧ください。
相談者プロフィール:
斎藤工業株式会社 代表取締役社長 斎藤 拓司(さいとう たくし、35歳)
相談概要:
未上場の会社を継承して1年の相談者は、メインバンクから派遣された取締役に、コンプライアンス的に問題だから法務部を立ち上げるように、と繰り返しいわれています。
しかし、法律関係事案は先代を踏襲し、顧問弁護士に教えを請いつつ総務の若手に担当させ運用していて何の問題もありません。
法務部は絶対に必要なのでしょうか?
以上の詳細は、ケース32:法務部って何するところ? 必要なの?【事例紹介編】をご覧ください。
本相談を検討する際の考慮すべき法律上の問題点1:あってもなくてもいい組織なのか
法務部は法令上設置を強制されているものではありません。
法務部があるからといって、
社内では法律に詳しい法務部とはいうものの、
「多数の臨床例を基礎に日々豊富な経験値とスキルを蓄積する独立の外部専門家集団である法律事務所」
との比較においては、中途半端な素人集団にすぎず、絶対的危機を切り抜ける知恵やスキルがあるわけでもありません。
以上の詳細は、ケース32:法務部って何するところ? 必要なの?【あってもなくてもいい組織なのか】をご覧ください。
本相談を検討する際の考慮すべき法律上の問題点2:法務部の本質とは
企業が永遠に継続するため(ゴーイング・コンサーン)には
(1)経営資源を効果的に運用して事業を合理的に展開し、効率的に富を蓄積することと
(2)企業内外の敵対勢力(仮想敵を含む)や有害分子から企業を防衛し、安全を確保すること
が必要になります。
そして、組織として、
(1)富の蓄積には
(1A)営業部隊(実働部隊)
(1B)経理・財務部隊(後方支援部隊)
(2)安全保障には
(2A)外部専門家組織(実働傭兵集団)
(2B)企業内法務部(後方支援部隊)
が構成されることとなります。
法務部は、企業の安全保障を担う部署であり、平時において有事を想定しながら、
「大事が小事に、小事が無事に」
なるよう、文書作成や記録管理を中核としたルーティンを担当する組織、ということになります。
以上の詳細は、ケース32:法務部って何するところ? 必要なの?【法務部の本質とは】をご覧ください。
本相談を検討する際の考慮すべき法律上の問題点3: 「有事」の蓋然性、ダメージ、コスト
企業における有事を想定するイマジネーションを強化し、外部専門家(顧問弁護士)と良好な関係を構築して後方支援の実を上げることと、有事の際にモノをいう
「文書」
「記録」
を丹念に整備することこそが、法務部の活動として求められる本質的要素といえます。
企業における
「富の蓄積」
という活動については、売上を上限として投入コストが導けます(売上を上回るコストを費やしたら企業組織は持続不能に陥ります)が、安全保障コストはこの種の
「経済的合理性による制約」
が働きにくく、過大にならないように注意が必要です。
以上の詳細は、ケース32:法務部って何するところ? 必要なの?【「有事」の蓋然性、ダメージ、コスト】をご覧ください。
モデル助言:
銀行が、法務体制に致命的欠陥があるといったわけでも、融資を継続するための必須前提として強制しているわけでも、ないのなら、銀行派遣の役員がいうことは120%無視して結構です。
以上の詳細は、ケース32:法務部って何するところ? 必要なの?【今回の経営者・斎藤社長への処方箋】をご覧ください。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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