01100_経営政策・法務戦略構築フェーズ>法務活動・フェーズ2>戦略法務(フェーズ2B)>(1)定義

「戦略法務」
という法務活動については、論者によって様々な定義が行われているようです。

「戦略法務」

「臨床法務(争訟法務)から予防法務(契約法務)へ」
という法務プラクティス発展経緯の延長線上に位置するものと捉え、前述の
「経営サポート法務(あるいは意思決定支援法務、企画法務、提言法務ないし提案法務)」
の意味に捉える考え方があります(「戦略法務=経営意思決定支援」説)。

また、
「戦略」
という言葉における
「徹底した競争優位を指向し、ときに相手を出し抜くことも辞さない」
というアグレッシブなニュアンスを重視し、
「戦略法務」
を、外資系企業やベンチャー企業が積極的に採用するような、
「『規制不備、すなわち、法の不備や盲点、さらには行政機関による運用不備や特異な業界慣行により生じた事業機会』を俊敏に捉え、法務上の知見を戦略的・意識的に活用して、競争相手を出し抜いたり、ゲリラ的に他業種へ参入したり、従来の暗黙のルールや商慣行を打破する現代型法務活動」
と捉える考え方もあります(「戦略法務=規制不備積極利用」説)。

本書では、
「戦略法務=規制不備積極利用」説
の考え方に立ち、
「戦略法務とは、規制不備状況を積極的に利用するような法律技術」
と定義することとします。

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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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