弁理士の主な業務は、一般的に審査・登録を要する知的財産権が成立するまでの代理が主たるものです。
具体的には、企業を代理して特許等の出願書類を作成し、また、特許庁から出願後通知される拒絶理由通知に対応したりする業務がその中核的業務となります。
もちろん、一旦成立した特許が特許庁において無効である旨争われたり、特許拒絶査定を争ったりという、特許庁における審判や行政不服審査において企業を代理する活動もありえますが、このようなトラブル処理になると、弁護士の出番が増えてきます。
さらに、特許権侵害訴訟等になってくると、弁護士と共同受任して訴訟代理人として法廷活動をする弁理士の方もいますが、裁判はほぼ弁護士の独壇場となってきます。この関係を、大雑把に整理すると、以下のようになります。
知的財産関連法務において法的問題が生じた場合、企業として、弁理士あるいは弁護士、さらにはその双方に助言を求める場合がありますが、上記のような観点をふまえ、問題の種類に応じて効果的に使い分けをすべきです。
著作権法に関する基本書・体系書としては、
『著作権法 制度と政策(3版)』(作花文雄著・発明協会)
が、また、オーソドックスな解釈を調べるコンメンタールとして、
『著作権法逐条講義(6訂新版)』(加戸守行著・著作権情報センター)
が適していると考えます。
なお、著作権法においては、法改正が毎年のように行われる点からしますと、かかる定評のある書籍の他に、文化庁等のウェブサイトや、Q&Aコーナーまで充実している公益社団法人著作権情報センターのウェブサイトを閲覧することで、知識のアップデートをすることも欠かせません。
不正競争防止法に関しては、一般のビジネスパースンでも理解できるように書かれたパワーポイントシート形式の簡単な概要資料として、経済産業省のウェブサイトからダウンロードできる
「不正競争防止法の概要」を紹介します。
基本書としては、経済産業省の行政官が書いたものとして、
『要説 不正競争防止法(第4版)』(山本庸幸著・発明協会)
がオーソドックスなもので使いやすいかと思われます。
コンメンタールとしては、
『逐条解説不正競争防止法(平成23・24年改正版)』(経済産業省知的財産政策室編・有斐閣)
が挙げられます。
個人情報保護法に関しては、理論・実務両面について詳細に書かれたものとして
『個人情報保護法(新訂版)』(岡村久道著・商事法務)
が、コンメンタールとしては、
『個人情報保護法の逐条解説(第4版)―個人情報保護法・行政機関個人情報保護法・独立行政法人等個人情報保護法』(宇賀克也著・有斐閣)
が挙げられます。
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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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