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どのような販売戦略をとっていくかについて意思決定する際には、当該商品を市場に出すための各営業規制(許認可事項)を遵守することはもちろん、独占禁止法上のガイドラインにも配慮する必要があります。

これらにより、販売戦略上どのような方策を採ることが許されるのかという点を明確にした上で、契約自由の原則に基づいて、相手が他企業との具体的取引に入ることになります。

企業間取引においては、取引両社間の力の格差を考える必要は少なく、契約書に落とし込んでいない事項があった場合に、自らに有利に解釈されることを期待するなどということは御法度です。

したがって、企業間取引では、プロ同士の契約交渉であるという点を常に忘れることなく、必要であれば外部の法律事務所の助力を請うことも躊躇せずに、書面化することを心がけなくてはなりません。

さて、独占禁止法は、株式保有、役員兼任、合併・会社分割・株式移転、事業の譲受けについて、企業結合規制を行っています(9条ないし18条)。

M&Aは、生産性の向上やスケールメリット等を図り、会社組織上の結合をめざすものであり、企業価値を上げるために行われます。

しかし、企業結合によって市場における競争が失われるおそれも否定できませんし、一旦M&Aが行われると元に戻すことが困難であるため、独占禁止法は、競争を不当に害する態様での企業結合がなされることのないようにとの観点から、事前審査を中心に規制を行っています。

したがって、M&Aを利用した経営政策の策定のためには、独占禁止法上の企業結合規制への配慮を欠かすことはできません。

【図表】(C)畑中鐵丸、(一社)日本みらい基金 /出典:企業法務バイブル[第2版]
著者: 弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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