00304_企業活動を妨害する行政指導への対処テクニック

ビジネスを進める上で、行政から必要な許認可を取得するため申請や届出を行う場合があります。 例えば、ある企業が、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(以下、「建設リサイクル法」といいます)21条に基づき、ある県に解体工事業者の登録申請を行ったしましょう。 申請があった場合、県側は、申請書の記載不備の有無等の形式的審...

00303_「ファンド協力・支援型MBO」の実体とリスク

MBOとは、マネジメント・バイアウト(Management Buyout)の略です。 英語で表現すると、何だか、物すごく斬新で高尚なことをやっているように思われがちですが、日本で昔からある「暖簾(のれん)分け」のようなもので、要するに雇われ社長がオーナーから株を譲ってもらって独立するという話です。 中小零細の非公開企業...

00302_アメリカのドラマや映画で有名な懲罰的損害賠償制度は、日本国内の企業もリスクとして捉えるべきか?

懲罰的損害賠償(punitive damages)とは、アメリカやイギリス等のコモンロー体系の国の法制度で、不法行為に基づく損害賠償請求事件において加害者側の非違性が強い場合に、一般予防目的(加害者に懲罰を与えて、将来の同様の行為を抑止する目的)の観点から、実損害の塡補としての賠償(補償的賠償)に上乗せして支払うことを...

00301_価格引き上げ追随行為のカルテル認定リスク

独禁法が禁止しているカルテルは、事業者間の「協定」であり、何らかの話し合いが想定されています。 逆に言えば、価格引き上げ追随行為、すなわち、「話し合いが始まってすぐに逃げ出し、協定自体に参加せず、同業者が実施したカルテルに一方的に便乗する行為」は問題なさそうにも見えます。 しかしながら、商品価格の協調的価格引上げにつき...

00300_「企業経営者の誰もが理解に苦しむ『独占禁止法』」を制定趣旨から理解し(させ)、リテラシーを改善するための説明ロジック

「商売をする目的は、稼いで稼いで稼ぎまくって、テッペンとって、マーケットをわがモノとし、やりたい放題できる経済的地位を手に入れるためだ。共産主義国家でもない、自由主義経済体制を採用する日本では、自由に商売をして、自由に稼いで、やりたい放題やっていいはずだ! それなのに、独占しちゃいかん、やりたい放題やっちゃいかん、とは...

00299_メーカーによる「専門販売員による対面販売義務づけ」措置の、独禁法違反リスク

メーカーが流通価格を制御する方法として、量販店や格安店に卸さない、卸させないという方法や、販売価格や再販売価格を守らせる方法(これに違反したら商品を供給しないというペナルティが課せられる)等がありますが、こういうダイレクトな方法だけでなく、もっと、ソフトでスマートでエレガントな方法も考えられてきました。 すなわち、販売...

00298_「メーカーは、流通価格を制御できない」というルール(販売価格拘束の禁止)の意味と法的背景

かつて、「定価」というものが存在していましたが、最近は、すっかり聞かなくなりました。 変わって、「メーカー希望小売価格」「参考価格」という言葉をみかけるようになりました。 これは、独禁法がきちんと意識されるようになり、独禁法違反行為と間違われる、紛らわしい言葉遣い(や、実際の紛らわしいビジネス慣行)が、コンプライアンス...

00297_国内で特許取得されていなければ、海外の特許はパクリ放題

ある国で取得された特許権は、登録等を行って別途権利化の手続を取らない限り、他国では特許権としての効力が認められません(特許権における属地主義の原則)。 したがって、国内における登録をしていない、単に海外で登録されただけの特許権は、パクリ放題ということになります。 この点、米国特許法(271条(b)項及び283条)では、...

00296_「世界万国で通用する国際特許権」などという代物は存在しない

飲み屋等でよく、「ウチの特許は国際特許だぞ」などということを自慢気に語る中小企業の社長さんがいらっしゃいますが、「世界万国で通用する特許権」などという代物は存在しません。 そもそも、特許権については当該権利が取得された国の領域内においてしかその効力が認められません。 すなわち、ある国で取得された特許権は、登録等を行って...

00295_事件屋、反社会的勢力その他「品位も常識もない、法の不当利用者」であっても、裁判所が何の躊躇もなく勝訴判決を与える理由

一般社会においては、反社会的勢力その他、一定のレッテルを貼られると、あちこちで社会生活の妨害を受け、かなり窮屈な思いをします。 ところが、民事裁判においては、裁判所は、事件屋、反社会的勢力その他「品位も常識もない、世間的には鼻つまみ者ともいうべき、法の不当利用者」であっても、何の躊躇もなく勝訴判決を与え、他方で、そのよ...