02153_会社役員に休業損害は出るのか? 報酬性の法的評価と裁判実務
「会社役員には、そもそも休業損害が出ないのでは?」 交通事故などの損害賠償請求において、こうした問いを耳にすることがあります。 たしかに、会社役員は従業員のような労働契約の相手方ではなく、「会社の機関」としての地位にある――そのため、報酬も一律に「労働の対価」とは言いにくいのが実情です。 けれども、実務の現場では、役員...
「会社役員には、そもそも休業損害が出ないのでは?」 交通事故などの損害賠償請求において、こうした問いを耳にすることがあります。 たしかに、会社役員は従業員のような労働契約の相手方ではなく、「会社の機関」としての地位にある――そのため、報酬も一律に「労働の対価」とは言いにくいのが実情です。 けれども、実務の現場では、役員...
ある会社での話です。 経営会議の場で、役員のひとりがこう言いました。 「この案件、正式な契約はまだだけど、先に動いてしまおう」「一昨日、ゴルフに行ったんだけど、先方のトップ以下3名が了解してたから、大丈夫でしょ」 その場では、誰も強く反対せず、話は流れていきました。 法務担当者も出席していましたが、何も言いませんでした...
査察が終わった――それは、緊張の連続だった現場対応がようやく一段落した瞬間かもしれません。 けれど、そこで本当に終わったわけではありません。 むしろ、そこから先に「もうひとつの分岐点」が待っています。 それが、「告発されるかどうか」の判断です。 これは、調査の結果をもとに国税側がまとめた資料を、検察と協議し、告発に値す...
「契約書をチェックしてほしい」という依頼には、その趣旨が多義的で、さまざまな意図が考えられます。 大きく分けると、次の5つのパターンが想定されます。 1 代読の要請(契約書の内容をわかりやすく説明してほしい) 契約書の文言が難解で、自分では理解できないため、何が書いてあるかその概要をかいつまんで説明してほしい、というケ...
むかーしむかし、あるところに、日本で木材の卸売業を営む会社がありました。 会社はたいそう繁盛していましたが、稼いでも稼いでも法人税として半分くらいもっていかれてしまいます。 あるとき、社長さんは「香港は法人税率がとっても低いらしいと」いう話を聞き、「これだ!」と思いました。 「香港に会社を作って、税率の負担を軽くしよう...
<事例/質問> 事業に出資してもいい、という方が出てきましたが、出資というのを実はよくわかっていません。 借金とどう違うのですか? どう考えたらいいですか。 基本的なところを教えてください。 <鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南> 出資と融資の違いについて説明します。 基本的に、出資は融資とは異なり、出し...
<事例/質問> 中小企業の海外M&Aについて、知り合いの経営者が、皆ほとんど失敗している、と言っています。失敗する原因のようなものって、あるのでしょうか? <鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南> 中小企業の海外M&Aについて、多くの経営者がほとんど失敗しているといえます。 では、失敗する原因は何...
企業が事業を進める上で、法律的な問題に直面することは避けられません。 多くの問題はネットで調べたり、一般的な弁護士に相談することで解決できるかもしれません。 しかし、実際には、本当に重要な問題ほど本に載っていないことが多いのです。 特に大手企業や先端企業が直面する法律的な障害は、一般的な解決策では対処しきれない場合が多...
弁護士として実装すべき知的スキルの土台には、「理論なき経験は無価値であり、同様に、経験なき理論も無価値 」というものがなければなりません。 筆者は、弁護士業務に30年ほど携わっていても、未だ知らないことや、未経験のことは山程あります 。 だからこそ、「理論なき経験は無価値であり、同様に、経験なき理論も無価値 」という土...
有事状況は、苛酷です。 ストレスと不安で死にそうになります。 また、トレードオフ課題(あっちを立てればこっちが立たず、肉を斬らせて骨を断つ、といった趣きの、目的達成のために多大な犠牲を伴う決断が迫られる課題)が波状的に突きつけられ、もたもたしていると、どんどん状況が悪化し、機会損失が増大します。 有事がために、人によっ...