02078_民事交渉における主導権の握り方:軍事ルートと外交ルートの使い分け

民事交渉において主導権を握ることは、成功に直結する重要な要素です。 しかし、それは「先に意図を示唆するメッセージを出す」ことではありません。 むしろ、交渉の場面では、先に意図を示唆した側が負け、あるいは限りない譲歩を迫られる可能性が高まります。 言い換えれば、「しびれを切らした方が負け」という状況です。 交渉の主導権を...

02070_弁護士の役割とクライアントの協力体制その2_「総括と振り返りと反省」の必要性

法律専門家の意見や評価が欠けたまま交渉が進められ、暗礁に乗り上げそうだと判明したとたん、弁護士に相談するケースは、実は少なくありません。 その場合、弁護士として、クライアントと交渉関係やプロジェクトの進行を円滑にするために、必須の前提と考えるのは、 1 交渉前に形成された状況や不利な立場となる判断をくだした経緯を、クラ...

02068_弁護士の役割とクライアントの協力体制その1_「最善解模索アプローチ」

弁護士として、クライアントとプロジェクトとの関係を構築する際に重要視している点がいくつかあります。 まず、弁護士が関与する前に生じた不利な状況に対して、クライアント自身がどの程度反省し、その原因を整理して総括しているか、ということです。 これに加えて、弁護士のアプローチである「正解探求ではなく、最善解を模索する」という...

02051_法的対処プロジェクトに対する姿勢

当事務所が弁護費用を提示する際、その金額がクライアントの予算を超えている場合には、以下のように説明いたします。 1 法的紛争の本質 ほとんどの法的紛争には「正解も定石もない」という点が特徴です。 特定のルーティンケース(明確な借用書を前提とした債権回収や、手続きが確立された倒産処理)を除き、各ケースは独自の展開を持ち、...

01669_企業法務スタンダード/企業法務担当者(社内弁護士)として実装すべき心構え・知見・スキル・仕事術、所管すべき固有の業務領域(12)_法務部を作る(法務組織を部署として立ち上げる)

企業法務担当者としての固有の業務分野(顧問弁護士に外注できない仕事)として、「法務部を作る(法務組織を部署として立ち上げる)」というタスクアイテムがあります。 論点としては、00681_法務部を作る上での論点といったものがありますが、以下、具体的に列挙していきます。 1 そもそも、「企業法務部」とは何をするところで、ど...

01668_企業法務スタンダード/企業法務担当者(社内弁護士)として実装すべき心構え・知見・スキル・仕事術、所管すべき固有の業務領域(11)_「外注管理部署としての法務部」として実装すべき「社外弁護士への外注スキル」

「外注管理部署としての法務部」といわれると、「法務の外注管理」って何?きちっと弁護士のきちっとした仕事を横目でボーっと眺めているだけなんでしょ・・・と、いわれそうかもしれません。 すなわち、・企業内に生じた法務に関する対応課題を、法務サービスを担う法務部がしないで、社外の弁護士に外注するんだったら、法務部は何もやらなく...

01657_想定どおりの結果が期待できる事件(勝訴見込事件 )であれば気を抜いてもいいか?敗訴見込事件であれば、訴訟を提起しても無意味か?

1 「勝敗・成功失敗・首尾不首尾というものが観念され、結果が蓋然性に依存する事件(争訟事件)」の種別 「勝敗・成功失敗・首尾不首尾というものが観念され、結果が蓋然性に依存する事件(争訟事件)」の種別としては、大まかに分類して、1)想定どおりの結果が期待できる事件(勝訴見込事件 )2)想定どおりの結果が期待できるかどうか...

01087_アセスメント・環境整備フェーズ>法務活動・フェーズ1>法令管理(フェーズ1A)>(3)法令動向や規制環境の調査

企業を取り巻く法的リスク状況を把握する上では、業界誌情報や業界団体のセミナー等で情報収集に努め、常に業界全体の問題意識や業界内の法務対応水準を把握しておくべきです。 監督行政機関には不祥事や法令情報が集中しますので、このような点からも各種プレスリリースや違反事実・ガイドラインの公表等にはよく目を配るべきです。 また、顧...

01086_アセスメント・環境整備フェーズ>法務活動・フェーズ1>法令管理(フェーズ1A)>(2)企業活動実態調査

法的リスク管理を行うに際し、法務スタッフとしては、まず、企業全体の法務リスク環境を把握しておかなければなりませんが、法律上の課題は 「一定の事実関係に法を適用し、所定の法的効果を導き出す」 というロジックにより発見されます。 このような課題発生の構造上、企業の法的リスクの発見には、まず、前提たる事実関係、すなわち、現状...

01082_法務組織の体制構築>企業法務活動を担うハードウェア>(8)企業法務活動に関係する社外専門家

企業法務に携わる社外専門家は前述のように弁護士に限られるわけではありません。 次のとおり、特定分野に関しては弁護士以外の社外専門家に直接助言を仰ぐか、あるいは弁護士も含めた協議を行った上での調整が必要になります。 運営管理コード:CLBP50TO50 著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所 ...