02175_見えないものをミエル化する知恵_「協力的」_税理士と弁護士、同じ案件に向き合うときに起きる“温度差”の正体
ある企業で、顧問弁護士が交代しました。 契約関係やリスク対応を、より専門的に支えてくれる人材を求めての変更だったといいます。 社長としては、次のステージに進むための、前向きな判断だったそうです。 その「次のステージ」とは、具体的には事業承継でした。 親族への株式の引き継ぎを見据えて、支配構造を整理するフェーズに入ったの...
ある企業で、顧問弁護士が交代しました。 契約関係やリスク対応を、より専門的に支えてくれる人材を求めての変更だったといいます。 社長としては、次のステージに進むための、前向きな判断だったそうです。 その「次のステージ」とは、具体的には事業承継でした。 親族への株式の引き継ぎを見据えて、支配構造を整理するフェーズに入ったの...
“うなずいていたから、理解していた”のは、本当か? たとえば、美術館の展示会で、音声ガイドを聞きながら歩いている人がいます。 黙ってうなずきながら、説明に耳を傾けている。 けれども、その人が展示内容を本当に理解しているかどうかは、外からは見えません。 「うなずいていたから、理解していたはず」とは、言い切れないのです。 ...
企業では、「理解しました」という言葉がよく交わされます。 それがそのまま「同意があった」と受け取られてしまうことも、少なくありません。 しかし、法務の立場から見ると、「理解=同意」とは限りません。 たとえば、「Aという事実があったことは理解している。でも私はそれに納得していないし、同意もしていない」。 こう言われてしま...
なぜ書かれないのか ある管理部門で、予算修正に関する会議が開かれました。 議論は白熱し、最終的には「部内で再検討のうえ、来週もう一度提案を出す」という流れで着地しました。 ところが、次の週になって再びその話題が上がった際、出席者のあいだで意見が食い違っていました。 「そんな話だったでしょうか?」「了承されたと思っていま...
議事録は、契約書とちがって署名も押印もされていないことがほとんどです。 したがって、厳密な意味での「合意書」ではありません。 それにもかかわらず、実務の現場では、この議事録がときに 「契約書以上の意味」 を持つことすらあります。 それはなぜか。 どうして「契約未満」なのに、「証拠以上」の役割を果たすのか。 この一見矛盾...
ある会社での話です。 その会社では、毎週定例の会議が開かれており、さまざまな課題が持ち寄られ、活発な意見交換が行われていました。 プロジェクトの遅れ、顧客対応、業務フローの見直し、取り上げられる議題は毎回盛りだくさんで、会議時間も足りないほどでした。 ところが、数週間後に同じ会議が開かれると、また同じ議題が俎上に載って...
最近では、リモート会議の普及により、TeamsやZoomなどのツールを使って会議を行う機会が増えています。 移動の手間がなくなり、多拠点とのやり取りもスムーズになるなど、リモートならではのメリットも大きい一方で、記録の扱い方に関して新たな課題が生まれています。 特に問題となるのが、チャットログと正式な議事録、そしてAI...
議事録は「ただの記録」ではない ある会社で、こんなトラブルがありました。 数か月前の取締役会で、「新商品Aを3か月以内にローンチする」という方針が共有されたはずでした。 ところが3か月後、計画は大きく遅れ、「誰が、どこまでやるか」が曖昧なまま、プロジェクトは大幅に遅れ、立ち往生していたのです。 原因をたどると、議事録の...
会社のルールというのは、案外あいまいな時期があるものです。 特に、経営ルールの整備には、どうしても時間がかかります。 新しい組織が立ち上がるタイミングや、制度を切り替える局面では、どうしても「仮運用」の状態が生まれます。 要するに、ルールが整っていない間、現場では「仮運用」という言葉で日々の判断が下されることになります...
ビジネスの現場では、スピードが求められるあまり、つい口頭のやり取りだけで物事を進めてしまうことがあります。 特に、投資案件や法務デューデリジェンスのように、複数の専門家や海外関係者が関わるプロジェクトでは、最初に決めたルールや役割が、途中で曖昧になってしまうことが少なくありません。 実際、あるコンサルタント会社の投資案...