02174_見えないものをミエル化する知恵_ファミリービジネスにおける事業承継の「段取りと視点」
事業承継の現場には、法務だけでは語りきれない「感情のもつれ」がつきものです。 親子間のわだかまり。 兄弟姉妹の不公平感。 義理の家族との距離感。 たとえば、長男に会社を継がせると決めていた父親が、いざ引退の時期が近づいてくると、急に決断を先送りにしはじめる。 あるいは、会社を手伝ってきた長女が、いくら貢献しても「経営は...
事業承継の現場には、法務だけでは語りきれない「感情のもつれ」がつきものです。 親子間のわだかまり。 兄弟姉妹の不公平感。 義理の家族との距離感。 たとえば、長男に会社を継がせると決めていた父親が、いざ引退の時期が近づいてくると、急に決断を先送りにしはじめる。 あるいは、会社を手伝ってきた長女が、いくら貢献しても「経営は...
企業では、「理解しました」という言葉がよく交わされます。 それがそのまま「同意があった」と受け取られてしまうことも、少なくありません。 しかし、法務の立場から見ると、「理解=同意」とは限りません。 たとえば、「Aという事実があったことは理解している。でも私はそれに納得していないし、同意もしていない」。 こう言われてしま...
「研修はしました」トラブル発生後に、そう釈明されることがあります。 確かに、企業として必要な研修を実施していた。受講記録も残っているし、社内メールでも周知済み。それなのに、なぜ起きたのか── 答えは、はっきりしています。 それは「研修“だけ”で済ませてしまった」からです。 研修は、実施すること自体が目的ではありません。...
相次ぐ企業不祥事のなかで「コンプライアンス」(法令遵守)が経営のキーワードになっている。 しかし私が違和感を覚えるのは、「コンプライアンス経営」が「倫理綱領の策定」と同義となっている点であり、「性善説に立ってみんないい子になりましょう、と道徳教育・修身教育をするような、倫理の問題」だと思っている企業が実に多いことだ。 ...
昭和ないし平成初期の護送船団行政の時代であれば、官庁主導による保護育成と業界協調体制による救済がありました。 法務だのコンプライアンスだの細かいことに目くじら立てなくても、慣行と業界の相場感に従い、それでもわからなければお上の指導に依存していれば安泰でした。 すなわち、かつては、管理や法務は無視して、営業だけをしていれ...
法令遵守が各企業毎に自己責任で行わなければならない時代となった現在、管理、なかんずく法務管理を適正に行わないと、今後も健全に生き残ることは不可能です。 実際、金融・証券業界は、いち早くこのような時代の流れに適合して管理強化、法務強化を完了しました。 金融庁も金融検査マニュアルを作り上げました。 このマニュアルを見ると、...
ところで、昭和の時代においてもそれなりに企業不祥事が発生し報道されていましたが、「コンプライアンス」という言葉が取り沙汰されることはありませんでした。 昭和の時代においては、企業にとっては、監督官庁こそが、法制定者であり、法執行者であり、紛争解決機関であり、神様であったのです。 監督官庁と緊密な関係を保っていれば、そも...
「コンプライアンス」という言葉があります。 21世紀に入って降って湧いたように登場し、その後、事あるたびに使われるようになってきた経営上のキーワードです。 「コンプライアンス」とは日本語に訳すと「法令遵守」という意味になります。 法律を守るのはある意味当たり前といえば当たり前です。 「何故、法令遵守を経営課題としてわざ...
コンプライアンス法務の推進を内外に表明する企業は実に多く存在していますが、これら企業の実際の行動をみてみると、威勢のいい表明とは逆に、コンプライアンス確立のための法務体制確立に向けた具体的努力の形跡がほとんど窺えず、そのうち重篤な不祥事を発生してしまう、といったところが少なくありません。 コンプライアンス法務確立に向け...
会社法においては、大会社は、内部統制システム構築の決定を取締役会で決定することが義務づけられています。 実際、上場企業は会社法施行に合わせて、内部統制システムの構築を取締役会で決定し、その旨を有価証券報告書等にも記載しています。 この決定義務は、形式的手続の面について述べているだけであり、取締役会で所要の決定をしさえす...