01679_企業法務スタンダード/企業法務担当者(社内弁護士)として実装すべき心構え・知見・スキル・仕事術、所管すべき固有の業務領域(22)_「取引事故に伴う民事紛争」に関する有事対応スキル

有事対応スキル(会社が法務問題でしくじって、「マジで、ヤヴァイ状況」になったときの切り抜け方のスキルやテクニック)を述べる前提として、対処すべき有事課題としては、・取引事故に伴う民事紛争・存立危機事態/シビアアクシデントが想定されますが、まず、前者、「取引事故に伴う民事紛争」について述べていきます。 0 ゲームオプショ...

01566_「『特定手続に関する、非公知の情報や特別の知見や特殊なシキタリ』なるものがあるはず」と愚かにも盲信し、その種の裏技をしつこく求めるクライアントへの“説教”メール_助言メールサンプル

===========================XX様 お話の概要、拝承しました。 お話をお伺いする限り、XX様の現状は、「このゲーム性顕著なプロジェクト(「一定の手続きを踏めば、希望の結果が必ず出るような事務ルーティン的な事案」ではなく、「結果が、すべて蓋然性に左右される」という程度の意味です)を、よく理解せず...

01557_ウソをついて何が悪い(7)_ 裁判では「ウソ」はつき放題

前稿で述べましたとおり、裁判所というところは、“筋金入りのウソつき”たちがぞろぞろやってきては、「オレの言い分は真実で、相手がウソをついている」という「ウソ」を言い放っていくわけですが、レフェリーたる裁判官も「ウソつきをやさしく受け容れてくれる度量の広い人種」です。 すなわち、裁判とは、「反則者に寛容で、反則行為にいち...

01556_ウソをついて何が悪い(6)_裁判官は「ウソつき」に対する強い免疫・耐性をもつ

「裁判官」と聞くと、一般の方は、「正義と真実を愛し、不正を憎み、“ウソつき”に対する強いアレルギーを有する、清廉潔白な人種」と思われるかもしれません。 しかし、裁判官の仕事場は、前稿のとおり、日本でも有数の“ウソつきホットスポット(密集地帯)”です。 しかも、タチの悪いことに、「自分の目の前にいる当事者のうち、どちらか...

01555_ウソをついて何が悪い(5)_「ウソつき」人口密度がもっとも高い裁判所

裁判とは、「お互い言い分が違う人間が、第三者に言い分と証拠を判断してもらって紛争を解決するシステム」のことをいいますが、より簡潔にいうと「どちらかがウソをついている場合に、『ウソをついているのはどちらか』をはっきりさせるための制度」ということになります。 わが国において、裁判という国家作用(司法権の行使)を独占的に実施...

01159_有事対応フェーズ>法務活動・フェーズ4>不祥事等対応法務(フェーズ4B)>(7)各ステークホルダーの特性に応じた個別対応>訴訟対策その2

4 「雪崩現象」を想定した判決回避 交渉がこじれて訴訟に発展した場合でも、極力裁判上の和解を行う方向で調整する努力を行い、判決が出るのを防ぐことになります。 というのは、敗訴判決が出てしまうと、示談交渉中の他の原告がその判決を盾に交渉姿勢を積極化し、いわゆる「なだれ現象」が起こり、一挙に企業崩壊につながる可能性があるか...

01158_有事対応フェーズ>法務活動・フェーズ4>不祥事等対応法務(フェーズ4B)>(7)各ステークホルダーの特性に応じた個別対応>訴訟対策その1

1 被害者代理人のプロフィールや動静に関する情報収集 まず、法令違反により被害を被った被害者が原告となって、企業に対する訴訟提起をしてくることに対して相応の対策を立てる必要があります。 このような場合、最初に調査すべきは、原告がそれぞれ独自にアクションを起こしてくるのか、あるいは、原告団を結成して集団的なアクションを起...

01157_有事対応フェーズ>法務活動・フェーズ4>不祥事等対応法務(フェーズ4B)>(7)各ステークホルダーの特性に応じた個別対応>監督行政機関への対応その2

以上の形で調査した事実を基に、監督行政機関への報告書を作成することになります。 この報告書の作成ですが、刑事弁護における弁論要旨のスタイルに近いものとなります。 まず調査の上、存否を確定した事実を記載し、これに法律や判例の解釈を述べ、事実に解釈したルールをあてはめて処分の発動の是非を論じます。 この段階で、後日客観的証...

01156_有事対応フェーズ>法務活動・フェーズ4>不祥事等対応法務(フェーズ4B)>(7)各ステークホルダーの特性に応じた個別対応>監督行政機関への対応その1

監督行政機関という場合には、上場企業にとっての証券取引所等、いわゆる役所以外にも行政処分を行う機関があるので、これらも含めて考えておくべきです。 法令違反の不祥事を起こした企業の多くは、監督行政機関への報告を要請されることになります。 監督行政機関に適正な報告を実施するためには、関係者への調査を行い、正確な事実を把握す...

01155_有事対応フェーズ>法務活動・フェーズ4>不祥事等対応法務(フェーズ4B)>(7)各ステークホルダーの特性に応じた個別対応>株主総会対策

法令違反の不祥事に伴って不可避的に発生するのが、株主総会での究明質疑です。 株主は企業のオーナーとして、最も重要なステークホルダーです。 とりわけ、株主総会を、実質的な討議の場とすることなく簡潔なセレモニーで終わらせたいと願う日本企業の経営陣の多くにとって、不祥事直後の株主総会ほど忌避したいものはないと思われます。 し...