01194_ガバナンス法務>企業の組織運営・内部統制に関する個別法務課題>特殊な課題・新たな課題>責任限定契約の限界

2005年会社法施行前の商法改正時代から、経済界から「株主代表訴訟が濫発されると、経営萎縮を招き、取締役のなり手がいなくなる」等といわれ、これをもとに、責任限定契約制度が導入され、2005年会社法においても盛り込まれました(会社法427条)。 責任限定契約とは、役員の賠償責任に上限を設定するもので、会社と契約を結んでお...

01172_ガバナンス法務>企業の組織運営・内部統制に関する個別法務課題>ガバナンス法務(フェーズ0)>課題概要と全体構造>課題と対応の基本

企業組織は、通常、株式会社として設立され、会社法の規律の下、営利を追求し、その成果をオーナーたる株主に分配します。 本来、株式会社の運営は、オーナーたる株主の意向や会社法の規制に服するものであり、これらへの配慮を抜きにしてはおよそ会社の運営は成立不可能なはずです。 しかしながら、株式会社という組織運営を担う取締役は、売...

01171_ガバナンス法務>企業の組織運営・内部統制に関する個別法務課題>ガバナンス法務(フェーズ0)>課題概要と全体構造>概説

会社法の施行により、相当程度、自由な機関(組織)設計が可能となり、また、各種法令の整備により、法人の形態自体も様々な選択が可能となっています。 このような状況下において、企業の組織としての取締役、取締役会、株主総会、各種委員会等をいかにして効率よく運営していくか、また、最近、話題になっている子会社等の関係会社による不祥...

01018_企業法務ケーススタディ(No.0338):役員登記ほったらかしのペナルティー!

本ケーススタディーは、事例及び解説の概要・骨子に限定して要約・再構成したものです。詳細をご覧になりたい方は、「会社法務A2Z」誌 2018年5月号(4月25日発売号)に掲載されました連載ケース・スタディー「鐵丸先生の 生兵法務(なまびょうほうむ)は大怪我のもと!」百十の巻(第110回)「役員登記ほったらかしのペナルティ...

00748_カネのマネジメント(ファイナンシャル・マネジメント)における企業法務の課題2:返さなくてはいけないカネと返さなくてもいいカネ(株式会社制度と株式制度)

企業はその活動のための資金を様々な調達先から手に入れます。 企業の資金調達方法をかなり大雑把に分けると、「調達した後、返さなくてはいけないお金」と「一度調達してしまったら、スポンサーに返さなくてもいいお金」の2種類に分けられます。 こういう言い方をすると、この世知辛い世の中で「返さなくてもいいお金」なんていう代物なんて...

00740_企業の統治秩序構築・組織運営の法務3:企業の内部統制に関する法務課題

内部統制、すなわち「3 従業員に企業が決定した方針に従わせる」ことに関連する法務課題についてです。 内部統制と似たもので、最近よく耳にする経営課題としてコンプライアンス(法令遵守)というものがあります。 内部統制もコンプライアンスもほぼ同じ概念なり経営課題として考えていただいて差し支えありません。 内部統制が「企業の方...

00739_企業の統治秩序構築・組織運営の法務2:企業の統治秩序構築・運営上の法務課題

企業統治のお仕事の実際は、「会社法に基づき、株主総会や取締役会を“仕切る”」ということに尽きるのですが、「“仕切り”が甘かったりすると、ボスが決まらなかったり、会社運営の基本方針が混乱し、会社を揺るがす大きなトラブルに発展する」という意味で、非常に重大な任務であり、担当者は大きなストレスを抱えるようです。 ところで、株...

00738_企業の統治秩序構築・組織運営の法務1:企業の統治秩序構築・組織運営上の法務課題の概要

組織体である企業には、様々な思惑を持った利害関係者が集まります。 株主は株主としての思惑を以て企業に参加しますし、経営者は経営者なりの考えがあります。 一括りに「株主」といっても色々な種類の株主がいます。 株を長期間保有する株主もいれば、「午前中に株式を購入したら午後3時までにはすべて売っ払って株主でなくなる」というト...

00724_内部統制構築の実務1:内部統制システムを構築するにあたって、どのような哲学や基本理念基づき構築すべきか?

内部統制システムとは、「企業経営を行う上で、絶対根絶不能で、不可避的・恒常的に発生する法令違反リスク」に効果的に対処し、「大事を小事に、小事を無事に」するためのマネジメントプログラムと定義されます。 このシステムを構築・運用するプロジェクトについて、適切に前提環境認識や稼働上の相場観が形成され、リスクや課題も正しく抽出...

00723_コンプライアンス体制構築のゴール・デザイン

人は法を守れません。 組織も法を守れません。 そして、企業が普通に活動しているだけで、常に法を犯してしまう可能性があり、この可能性は絶対なくなりません。 他方で、法令に違反するための予防活動は必要です。 法令違反を予防するための活動としては、「絶無を目指す、根絶をゴールにする」などという幼稚で愚劣で非現実的な幻想を目指...