00531_守秘義務条項を作る際の注意点

守秘義務条項については、機密の特定が問題になります。 単に「秘密の持ち出し禁止」といっただけではあまりに漠然としていて当該条項の法的有効性に疑義が出てきます。 一例を示すと、 1 事業資料及び財務資料 : 事業計画書、事業提案書、営業計画書、営業企画書、財務諸表及び経理資料、人事等に関する情報(従業員の地位、職責、住所...

00530_競業禁止条項を作る際の注意点

競業禁止条項を作る際の注意点として挙げられるのは、地理的範囲や、業態、期間を限定することが重要です。 「どこであろうと、永遠におまえはこの商売に関わってはいけない」なんて内容は、職業選択の自由を奪うものであり、公序良俗に反して、無効と判断される可能性が大きいからです。 ですから、「東京都内で向こう1年間はダメ」とか「弊...

00529_競業禁止やノウハウ等の保秘についての社内ルールを整備する際の課題

わが国では「職業選択の自由」が保障されています。 したがって、その人がどんな仕事をしようが自由であり、他人はその人の職業を拘束できません。 従業員を雇用する際、きちんとした競業禁止やノウハウ等の保秘のルールを整備していない場合が多いです。 とくに、同業他社が多く、引き抜き等が頻繁に行なわれることはその業界で商売している...

00526_企業法務ケーススタディ(No.0191):「退職した従業員が、独立して、他の従業員を引き抜き ライバルとして顧客を奪い始めるケース」における紛争法務テクニック

1 事例 首都圏を中心に展開する「小泉ビューティーサロン(以下KBS)」は、年商20億円の中堅のエステサロン。特徴ある新しい技法は特にないものの、相場より安価な施術料金で、オープンから10年、着実に業績を上げている。顧客の悩みに親身に応えることを第一と考えているため、これまで顧客との間でトラブルは皆無、それが口コミでも...

00525_企業法務ケーススタディ(No.0190):「退職した従業員が、独立して、他の従業員を引き抜き ライバルとして顧客を奪い始めるケース」を想定した予防法務テクニック

1 事例 首都圏を中心に展開する「小泉ビューティーサロン(以下KBS)」は、年商20億円の中堅のエステサロン。特徴ある新しい技法は特にないものの、相場より安価な施術料金で、オープンから10年、着実に業績を上げている。顧客の悩みに親身に応えることを第一と考えているため、これまで顧客との間でトラブルは皆無、それが口コミでも...

00512_外国人労働者が業務中の事故で怪我をした場合の適用法令と賠償相場

雇用主は、雇用契約上、従業員に対し「安全に仕事できるように注意する義務」を負っています。 これに雇用主がこれに反し、うっかり従業員にけがを負わせてしまった場合には、雇用契約法上の債務不履行責任及び不法行為責任が発生します。 当該責任によって、雇用主は従業員に損害賠償を支払わなくてはなりません。 雇用主・従業員ともに日本...

00503_企業情報を公示する登記が事実と違った場合の取扱

登記とは、不動産登記や商業登記等さまざまなものがありますが、これらの登記はあくまでも、権利関係等を公示、つまり公に明らかにするためのものであり、登記に書かれていることがそのまま真実となるものではありません。 そこで、真実会社の取締役と登記上の取締役が一致しないこともあるのです。 しかし、「登記に書かれている事項=真実」...

00494_「SE(システムエンジニア)に裁量労働制を使って、残業代なしで過酷な残業をさせるスキーム」構築のリスク

制度の仕組みが誤解を招きやすいことに加え、裁量労働制の適用対象となる業務についても、列挙された業務に形式的にあてはまればよいというわけではありません。 例えば、システムエンジニア(SE)は適用対象と解されていますが、業務内容が裁量性の高くないプログラマーは対象外と考えられ、このような複数の業務を兼務している場合、適用対...

00493_裁量労働制を使えば、「サービス残業完全させ放題」となるのか

裁量労働制ですが、みなし労働時間数が法定労働時間を超える場合は、その分の割増賃金の支払が必要になる等、単純に「いくらでもサービス残業OK」というオイシイ制度ではありません。 著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所 【本記事をご覧になり、著者・所属法人にご興味をお持ちいただいた方へのメッセージ...

00492_「法定労働時間内であれば」残業させ放題にできる、裁量労働制とは?

世の中には、決まった時間に出社して、上司の指揮命令下で働く一般の会社員と異なり、成果さえちゃんと出していれば良いとされ、時間の使い方・仕事の進め方等についてその労働者自身の自由度が高く、一般労働者と同様に労働時間を厳格に規制することには馴染まない業務もあります。 そして、そのような業務の性質上、労働基準法施行規則24条...