00467_就業規則に降給規定がない場合、降給は可能か?

多くの「就業規則」は、「昇給」に関する規定(昇給のための査定方法、昇給額の決定方法、時期など)についてはしっかりと定めているようですが、給料の額を減額する意味の「降給」については、あまり規定していない場合があるようです。 もし、「降給」の規定がないにも関わらず、雇用者が一方的に「降給」してしまった場合、「賃金を引き下げ...

00466_就業規則の機能と役割

民法623条以下に規定される雇用契約は、当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することによって成立しますので、給料の額は、原則として、雇用者と従業員の合意によって決まることになります。 そうすると、従業員の給料を変更する場合、いちいち、雇用契約の当事者である雇...

00456_従業員の髪型・髭・服装を規制できるか?

人は、犯罪など公の秩序に反することなどがない限り、基本的に何をしようとも自由です。 このことは、憲法上も「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」(憲法13条)とされており、「服装や髪型を選択・決定する自由」も同条に基づき憲法上の権利...

00450_労災保険への加入義務と懈怠した場合のリスク

いざ、労働災害が発生してしまった場合、会社は、けがの具合によっては多額の治療費や休業補償等を払うことになりますが、ただでさえ人手が足りず、経営も資金繰りも厳しい会社にとってみれば、果たして“手厚い補償”をしてあげられるかどうかあやしいところです。 他方、けがをした従業員にとってみれば、会社の経営不振が理由で治療費も払っ...

00449_「従業員が業務中にけがをしたり業務の内容が災いして病気になってしまった場合」の企業としての対処法

会社を経営していると、雇っている従業員が業務中にけがをしたり、業務の内容が災いして病気になってしまったりする場合があります(場合によっては、通勤中に自動車事故に巻き込まれるといったこともあります)。 このような労働災害が発生した場合、会社は当該従業員に対し、会社の費用で必要な療養を行わなければなりません(労働基準法75...

00444_逮捕されたら、すぐさま解雇できるか?

例えば、会社がインサイダー取引の嫌疑がかかっている従業員を有罪に違いないと決めつけた上で、そそくさと解雇を行なおうとした場合、この解雇は有効でしょうか。 多くの企業は、就業規則上、「“有罪”となった場合に解雇可能」という定めを有しています。 では、いつ「有罪」と定まるのでしょうか。 刑事手続き上有罪となるのは、「刑事裁...

00441_トラック運転手やバス運転手に仕事をさせすぎ、事故を起こしたことで、社長が処罰されるリスク

道路交通法は、「何人も、(中略)、過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない」と規定し、これに違反した者に対しては、「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」を科すなどして、過労運転等を禁止しています(道路交通法第66条、第117条の2の2第5号)。 「自動...

00424_違法残業により役員個人が責任を負う場合

会社が責任を負うとしても、役員個人が賠償責任を負うなどということがあるのでしょうか。 この点について、過労死等の場合、会社が責任を負うのはともかく、役員「個人」が賠償の義務を負うなんて考えられないという経営者が大半であると思われます。 しかしながら、役員個人も損害賠償責任を負うとの裁判例が近年出されていますので十分な注...

00423_違法残業から生じる多大なリスク

残業とは、法定労働時間を超過して働かせることをいいますが、この場合、まず労働基準法36条に基づく協定(36協定)の締結が必要です。 そして、週40時間以上勤務させるような法定外残業の場合には、残業代として基本給の25%増を支払わなければなりませんし、それが休日の場合には35%増とする等の規制が働くことになります。 加え...

00415_採用内定を取消す場合の手続き

「人を雇う」という契約は、いったん成立すると、解消は大変困難です。 雇用と婚姻とは取引としては酷似しており、「結婚は簡単だが、離婚は大変」なのと同様、「採用は安易にできるが、採用した人間を辞めさせるのは極めてハードルが高い」といえます。 すなわち、解雇は「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場...