00344_比較広告が違法とされるリスクその1:景表法違反リスク

日本では、憲法21条で表現の自由が保障されていることもあり、名誉棄損罪や侮辱罪といった犯罪に該当する場合を別として、キャッチコピーにどのような文句を使用したとしても、使用差し止めや損害賠償を請求されるいわれはないとも考えられます。 しかしながら、景表法(景品表示法)第4条は、「自己の供給する商品等の内容や取引条件につい...

00326_「顧客や従業員の引抜き」が「私的独占」に該当する場合

ある会社が、ライバル企業の3割近くの従業員を引き抜いた上、さらに、当該ライバル企業の顧客に対し、「自社との取引に切り替えれば、他の顧客にはない特別な条件で取引する」という不当な差別対価を提示して勧誘したという事件がありました。 この事件について東京地方裁判所は、「違法な引き抜き行為」に加え、これと近接した時期に「違法な...

00325_顧客の属性に応じて柔軟に価格を差別化する価格政策の独禁法抵触リスク

適正な利益が上げられる範囲で、同業他社より安い価格を設定して商品を販売したりサービスを提供したりすることは、自由競争社会においては当然のことです。 本来、企業は、自社の商品やサービスの価格を自由に決めることができるのが原則ですし、顧客によってはその取引量やコスト(事務費用など)が異なるのですから、例えば、「子供は割引し...

00322_事業者団体(業界団体)の自主規制が独占禁止法違反となる場合

学校のイジメや村八分ではありませんが、特定の企業が集まって、部外者企業を除け者にしていじめ倒すようなことをする場合があります。 その際、事業者団体の加入企業による個別のカルテルや各種不公正取引行為だけでなく、事業者団体そのものが主体となった反競争的行為も厳しく取り締まられることになります。 例えば、安全審査基準を設ける...

00301_価格引き上げ追随行為のカルテル認定リスク

独禁法が禁止しているカルテルは、事業者間の「協定」であり、何らかの話し合いが想定されています。 逆に言えば、価格引き上げ追随行為、すなわち、「話し合いが始まってすぐに逃げ出し、協定自体に参加せず、同業者が実施したカルテルに一方的に便乗する行為」は問題なさそうにも見えます。 しかしながら、商品価格の協調的価格引上げにつき...

00222_企業法務ケーススタディ(No.0177):下請事業者よ、よきに計らえ

相談者プロフィール: スーパー・コスゲ株式会社 代表取締役 小管 龍一(こすげ りゅういち、40歳) 相談内容: せんせっ! ども~! 今日は、先生にうちの新規事業のことを相談しようと思いましてね。うちは、じいさんが始めた町の小さいスーパーだったんですけど、今や資本金1500万、従業員数100名超の大手スーパ...

00204_企業法務ケーススタディ(No.0159):抱き合わせ販売のリスク

相談者プロフィール:和田昇降機メンテナンス株式会社 代表取締役 勝間 邦和(かつま くにかず、49歳) 相談内容: 今日ご相談に来たのはですね、当社のやっている営業方法についての相談なんです。ご存知のとおり、当社は、大手エレベーター製造メーカー・和田昇降機の子会社として、エレベーターメンテナンスをやらせていた...

00163_企業法務ケーススタディ(No.0118):製造委託先へのボリュームディスカウント要求の問題点

企業から、顧問弁護士に対して、以下のような法律相談が持ち込まれた場合の助言方針を検討してみます。 相談者プロフィール: 大三和土(オオタタキ)商事株式会社 代表取締役 大三和土 修治(おおたたき しゅうじ、85歳) 相談内容: わが社が社名にちなんで開発した、腹をペシペシ叩いて脂肪の燃焼を促進するという「おお...

00154_企業法務ケーススタディ(No.0109):「大規模小売業者」ではないから独禁法違反にはならない?

企業から、顧問弁護士に対して、以下のような法律相談が持ち込まれた場合の助言方針を検討してみます。 相談者プロフィール:株式会社坪谷酒廊 代表取締役 坪谷 喜士郎(つぼや きしろう、39歳) 相談内容: この不況で、むやみに従業員も増やせないし、削れる人件費は削りたいですよね?そうかといっても、安売りキャンペー...

00142_企業法務ケーススタディ(No.0097):おとり広告の罠

企業から、顧問弁護士に対して、以下のような法律相談が持ち込まれた場合の助言方針を検討してみます。 相談者プロフィール:松竹梅電気 社長 滑田 圭助(かつだ けいすけ、39歳) 相談内容: 先生、今日来ましたのわな、何を隠そう、うちの電気店の不況っぷりの打開策についてですわ。まだまだ客の財布の紐は緩まへんし、こ...