02187_逆粉飾は経営の裏技ではない。経営者を直撃する違法リスク
「逆粉飾、できますか」。 儲かっている会社を、意図的に赤字に見せかける。 通常の粉飾決算と真逆のこの発想は、裏技ではなく、ただの違法行為です。 逆粉飾を行えば、金融商品取引法・会社法・税法のいずれにも抵触します。 その瞬間に、経営者個人の責任が直撃します。 追徴課税や課徴金だけでは終わらない。 損害賠償、刑事責任、そし...
「逆粉飾、できますか」。 儲かっている会社を、意図的に赤字に見せかける。 通常の粉飾決算と真逆のこの発想は、裏技ではなく、ただの違法行為です。 逆粉飾を行えば、金融商品取引法・会社法・税法のいずれにも抵触します。 その瞬間に、経営者個人の責任が直撃します。 追徴課税や課徴金だけでは終わらない。 損害賠償、刑事責任、そし...
「儲かっているから大丈夫」。 この言葉ほど、経営判断を鈍らせるものはありません。 PLが黒字でも、BSが痩せていれば会社は危険域にいます。 評価益や為替差益で一時的に数字が整っても、それは偶発的な要因の結果です 。 たとえ話をすれば、健康診断の前日にだけ暴飲暴食を控え、翌日からまた元の生活に戻るのと同じです。 検査値は...
「先生、“逆粉飾”って、できませんかね……?」 ある経営者が、真顔でこう言いました。 通常の粉飾は「黒字に見せる」こと。 その逆、つまり 「儲かっているのに、わざと赤字に見せる」。 それが“逆粉飾”です。 たしかに、倒産を成立させるために「黒字に見えるのは不都合だ」と考えれば、逆方向の小細工を思いつく人がいても不思議で...
黒字なのに倒産できないのか?という相談 先日、ある経営者から、奇妙としか言いようのないご相談を受けました。 「わが社は儲かっている、いえば、儲かっているのですが・・・。 先生、なんとか、この会社を法的整理できませんかね?」 ふつうに聞けば、意味不明です。 利益が出ている会社が、なぜみずから「法的整理」という言葉を口にす...
「修正申告=正しい対応」とは限らない 税務の世界には、誤りを正すための「修正申告」という制度があります。 たしかにこれは、制度として当然のものと言えるでしょう。 実際、多くの企業が、税務署から指摘を受けては、すぐに修正し、納税し直しています。 ところが、そこには落とし穴が潜んでいます。 そもそも修正申告とは、あくまで「...
ある朝、出社してみると、玄関に複数の査察官が立っていました。 名刺を差し出しながら、手にした裁判所の令状を見せ、「本日、査察に着手します」と告げてきました。 ・・・これは決してフィクションではなく、査察における「現実の初日」の光景です。 そしてその日、最初の30分の対応が、その後6か月にも及ぶ査察全体の印象と方向性を左...
「査察は、突然やってくる」これは決して比喩ではなく、実務上の事実です。 ある朝、会社に出社してみたら、玄関に複数の査察官がずらりと並び、調査開始を宣告される・・・そんな“非日常”が、現実のものとして起こり得るのが査察です。 税務調査と違って、事前通知や日程調整は一切ありません。 なぜなら、査察は、「証拠を押さえるための...
「税務調査で指摘されたんです。もしかして、このあと“マルサ”が来るんじゃないでしょうか。心配で心配で・・・」企業の経営者や担当者の方と話していると、こうしたご相談をいただくことがあります。 いかにもありそうな流れに思えますが、これはよくある誤解のひとつです。 1 査察は、「税務調査の延長」ではない 「税務調査のあとに、...
税務署の査察が入る―このひとことで、経営者に走る緊張感は、相当なものです。 しかも、調査の結果、告発・起訴されて有罪判決が確定すると、たとえ罰金刑であっても 「前科」 がつくことになります。 それは、経営者にとっては社会的な信用を一気に失いかねない、極めて重い結果を意味します。 では、どれほどの金額を脱税すれば、査察が...
<事例/質問> あるプロジェクトをすすめていました。 私は経営者ですが、別途プロジェクトオーナーがいます。 さて、税務署から「お尋ね」や「確認のための通知」が届きました。 このことを、プロジェクトオーナーに相談すべきか、あるいは、顧問弁護士に相談すべきか、悩んでいるうちに時間が経ち、結果的に、税務署からの通...