<事例/質問>
SNSで、いろいろ写真を撮って投稿して、そこそこフォロワーがいます。
素人写真ですが、それなりに工夫をしており、自分としては味わいのある写真であり、だからこそ人気があると思っています。
最近、私の写真を勝手に使われたりすることがありますが、著作権侵害で訴えられますか。
ちなみに、©(マルシー)とかは特に付けていません。
<鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南>
写真には著作権が成立します。
ただし、どんな写真でも著作権が成立するわけではありません。
著作権が認められるのは、
「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」
という定義に当てはまる場合です。
要するに、著作権法が保護するのはアイデアや技術ではなく、
「クリエイティブな表現」
なのです。
証明写真やメモ代わりの写真でも、その写真が
「カッケー! ヤベエ! チョーイケてる!」
というように、創作的でユニークな表現であれば、著作物として認められる可能性があります。
プロのカメラマンでなくても、素人でも、小学生でも、写真がクリエイティブであれば立派な著作物になります。
相談者の写真も工夫があり、味わい深いのであれば著作物となり得ます。
その場合、他人に無断で使用されたら著作権侵害の問題が発生します。
よく
「(C)(マルシー)」
が著作権を示すために必要だと思われがちですが、これは表示しなくても著作権には影響しません。
バンクシーやジャクソン・ポロックの絵にも
「(C)」
と書かれていませんし、逆に横山大観やダビンチの絵に
「(C)」
が書かれていたら驚きますよね。
ただし、著作権は簡単に侵害されることが多く、心理的障壁が低いのも事実です。
そのため、まずは著作権侵害が発生した場合、きちんと
「あなたの行為が私の権利を侵害しています」
と伝えることが大切です。
弁護士名義の手紙でも、内容証明郵便でも、メールでも構いません。何らかの形でメッセージを送ることで、侵害が明らかになります。
しかし、裁判まで進めるかどうかは慎重に考える必要があります。
賠償金の相場は低いため、裁判費用と時間を考えると割に合わないことが多いです。
そのため、一発かまして謝罪を求め、出典明記(クレジット)をしてもらう方が賢明かもしれません。
詳細は、以下をお聴きください。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
【本記事をご覧になり、著者・所属法人にご興味をお持ちいただいた方へのメッセージ】
✓当サイトをご訪問いただいた企業関係者の皆様へ:
✓当サイトをご訪問いただいたメディア関係者の皆様へ:
✓当サイトをご訪問いただいた同業の弁護士の先生方へ:
企業法務大百科® 開設・運営:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所