01198_労働法務>経営資源としての「ヒト」の調達・活用に関する法務課題>労働法務(フェーズ0)>課題概要と全体構造>課題と対応の基本
1 労働法違反の実態 厚生労働省のまとめによる2012年度の定期監督実施結果のように企業の7割強が労働法違反を行っている実態からすると、企業のトップマネジメントあるいは人事責任者のほとんどが法を知らず、損益計算という視点のみで「ヒト」という経営資源の調達・運用を行っている姿が浮かび上がってきます。 このように、労働法務...
1 労働法違反の実態 厚生労働省のまとめによる2012年度の定期監督実施結果のように企業の7割強が労働法違反を行っている実態からすると、企業のトップマネジメントあるいは人事責任者のほとんどが法を知らず、損益計算という視点のみで「ヒト」という経営資源の調達・運用を行っている姿が浮かび上がってきます。 このように、労働法務...
経営資源というのは、「必要なときに調達し、不要になったら廃棄できること」が理想であり、これが停滞すると、ビジネスが発展しません。 しかしながら、「モノ」や「カネ」や「情報・技術・ノウハウ」といった他の経営資源と異なり、「ヒト」という経営資源は、人権保障の観点から法律が強い規制を働かせており、調達・運用において、モノやカ...
会社法において、子会社の定義は次のようなものと定められました。 大前提の議論として、「株主有限責任」という株式会社の根本原理がありますので、いかに親子会社関係にあるとはいえ、株主有限責任のバリアーを通り越して、株式を有しているだけの別法人がいきなり子会社の不祥事の責任を取らされることはありえません。 しかしながら、会社...
株主総会の運営に関してですが、前世紀に主流であった「特殊株主・総会屋が暗躍し、会社の説明義務の不備を突かれる」等といった、修羅場あり、山場ありの総会対策はすでに過去のものとなりつつあります。 現在では、自らが投資する会社の方向性に興味・関心を有する一般投資家や、経営者の経営責任を追及すべく財務諸表を読み込み、徹底した理...
2005年会社法施行前の商法改正時代から、経済界から「株主代表訴訟が濫発されると、経営萎縮を招き、取締役のなり手がいなくなる」等といわれ、これをもとに、責任限定契約制度が導入され、2005年会社法においても盛り込まれました(会社法427条)。 責任限定契約とは、役員の賠償責任に上限を設定するもので、会社と契約を結んでお...
代表訴訟が提起されるに先立ち、まず、取締役の責任を追及する株主は、監査役に対して訴訟提起通知(60日以内に監査役が会社を代表して、法令違反をなした取締役を訴えることを求める通知)を発出します。 多くの会社は、この段階で株主の要求を突っぱねてしまいますが、状況によっては、監査役に訴えてもらうことも一計に値します。 次に、...
企業組織運営法務における有事としては、株主代表訴訟がまず挙げられます。 よく知られているように、1993年の商法改正により株主代表訴訟については、どれだけ多くの金額を請求しようと、訴額は一律95万円とみなされ、8,200円の印紙代を払えば提訴可能となりました。 この改正以降、株主代表訴訟提起の事実上のハードルがなくなり...
東京証券取引所では、株式公開会社の経営や株式市場の透明性を高め、また、一般株主を保護する観点から、上場会社に対して、「独立役員(一般株主と利益相反が生じるおそれのない社外取締役又は社外監査役)」を1名以上確保することを企業行動規範の「遵守すべき事項」として規定しています。 この詳細については、独立役員の確保に係る実務上...
企業組織運営に関する予防法務上の課題で忘れられがちなのが、取締役会運営の機能化・実質化という点です。 特に、会社法違反を理由として経営幹部が代表訴訟において被告とされた場合、適切に経営裁量を行使した事実を明らかにして、身の潔白を証明する重要な立証手段が、取締役会での決議です。 ところが、相当規模の大きな会社であっても、...
会社法上、ビジネスジャッジメントルール(経営判断保護の原則あるいは経営裁量保護の原則)と呼ばれるものがあります。 これは、アメリカ合衆国における会社法裁判例として集積され確立されてきた法理ですが、「取締役が業務執行に関する意思決定の際に適切な情報収集と適切な意思決定プロセスを経たと判断されるときには、結果として会社に損...