01168_リーガル・プロセス・チェーン・フレームワーク分析>連鎖型企業法務プロセスモデルによる課題分析法>具体的内容

企業法務のニーズに応えるべく、著者は、「企業内外において生じる法務課題を有機的かつ統一的に捉え、企業が抱える法務課題を効果的に分析するフレームワーク」として、「リーガル・プロセス・チェーン・フレームワーク分析(連鎖型企業法務プロセスモデルによる課題分析法/Tetsumaru Hatanaka’s Legal Proce...

01167_企業法務課題を整理・体系化すべき必要性>(2)企業法務課題整理・体系化の必要性を考えるためのケース・スタディ

さらに具体的な有事状況を考えますと、企業法務の現場においては、例えば、以下のような状況に遭遇することもありえます。 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ A社は「2万円」という定価実績が全くない宅配形式のおせち料理商品を、「定価2万円のところを1万円で特別販売」と銘打って...

01166_企業法務課題を整理・体系化すべき必要性>(1)企業法務課題を合理的に整理・体系化する必要性

「企業法務」というビジネス課題については、取扱対象の広汎性、ロジックの専門性等から、取り組む以前の問題として、課題をどのように発見し、整理・分析すべきかすらわからず、五里霧中の状態で途方に暮れる企業も少なくありません。 従来、企業法務課題を体系的に捉えることができる整理・分析のためのモデルは存在しませんでした。 既存の...

01165_疑似法務活動の概念整理>倫理課題・CSR等と企業法務との関係整理>(5)まとめ

企業法務として展開されるべきコンプライアンス法務(内部統制システム構築・運用法務)は、大和銀行ニューヨーク支店事件判決を嚆矢とする多くの裁判例の考え方に基づく内部統制システム構築義務の理論に準拠し、法令違反のみを対象とするリスク管理体制を確立・運用すれば足りるものと考えられます。 同時に、企業は、広報やPR・IR上の戦...

01164_疑似法務活動の概念整理>倫理課題・CSR等と企業法務との関係整理>(4)学説の状況

「コンプライアンス(内部統制)の対象とすべき規範について、法令に限定するか、倫理をも取り込むか」という点について、学説の状況をみていきます。 日本の学説においては、論点の存在すら意識されていない状況で、論者によっては、コンプライアンス(内部統制)の対象規範について混乱がみられます。 すなわち、上記のような論点について、...

01163_疑似法務活動の概念整理>倫理課題・CSR等と企業法務との関係整理>(3)「企業倫理」と「企業法務」との概念峻別の必要性

企業倫理をコンプライアンス法務(内部統制システム構築・運用法務)の内容として取り入れる考え方は、企業活動に高い倫理性を求めることから、社会的に受け入れられやすく企業の発するメッセージとしても高潔な印象を持ちます。 しかしながら、著者としては、コンプライアンス法務のゴールは、あくまで企業の法令違反行為に起因する不祥事とい...

01162_疑似法務活動の概念整理>倫理課題・CSR等と企業法務との関係整理>(2)法令遵守と倫理を渾然一体のものと考える説(「法令・倫理一体説」)の限界その2

2 裁判実務と整合しない コンプライアンス法務(内部統制システム構築・運用法務)の具体的内容を詳細に論じた大和銀行ニューヨーク支店事件判決は、性悪説を前提に、「取引担当者が自己又は第三者の利益を図るため、その権限を濫用する誘惑に陥る危険性がある」ことを指摘し、「このような不正行為を未然に防止し、損失の発生及び拡大を最小...

01161_疑似法務活動の概念整理>倫理課題・CSR等と企業法務との関係整理>(2)法令遵守と倫理を渾然一体のものと考える説(「法令・倫理一体説」)の限界その1

コンプライアンスと倫理を渾然一体のものと捉え、「法を超えた規範としての倫理」の遵守をもコンプライアンス法務(内部統制システム構築・運用法務)の対象に取り込もうとする考え方(「法令・倫理一体説」といいます)は、以下のような大きな難点をはらんでいます。 1 現代型法務活動である戦略法務が説明できない 「法令・倫理一体説」に...

01160_疑似法務活動の概念整理>倫理課題・CSR等と企業法務との関係整理>(1)企業倫理とコンプライアンス

2000年代前半、企業における偽装や隠蔽等の様々な法令違反行為が発生・露見し、企業不祥事は社会問題となり、その処方箋として「コンプライアンス」という言葉が流行し、経営課題として突如脚光を浴びました。 当時、企業不祥事をなくすための理念や方策が種々の専門家から提唱されましたが、機能性や有効性の有無や基礎におくロジックも様...

01159_有事対応フェーズ>法務活動・フェーズ4>不祥事等対応法務(フェーズ4B)>(7)各ステークホルダーの特性に応じた個別対応>訴訟対策その2

4 「雪崩現象」を想定した判決回避 交渉がこじれて訴訟に発展した場合でも、極力裁判上の和解を行う方向で調整する努力を行い、判決が出るのを防ぐことになります。 というのは、敗訴判決が出てしまうと、示談交渉中の他の原告がその判決を盾に交渉姿勢を積極化し、いわゆる「なだれ現象」が起こり、一挙に企業崩壊につながる可能性があるか...