01967_未払残業代事件における裁判所の対処哲学その3_裁判所からしょっぱい対応を受けた「未払残業代事件」

保守的・体制寄りとかどうとかいう前に、未払残業代事件については、裁判所全体として、企業側にそうとう厳しい対応をしてくる、という認識を明確にもつべきです。 すなわち、・労働時間はきっちり管理させ記録させる、そして・記録された時間どおり、単価を乗じた労賃はすべてきっちり払わせる。・払わなければ、耳を揃え、利息をつけて強制的...

01966_未払残業代事件における裁判所の対処哲学その2_「未払残業代事件での企業受難時代」の背景

裁判所が人権擁護に目覚めた、という側面がないとは言い切れませんが、むしろ、昨今の「未払残業代問題についての、徹底した労働者寄りの裁判所の対処哲学」は、日本の産業界の未来を憂いた、エスタブリッシュメントとしての確固たる信念に支えられているものと思われます。 すなわち、無料でいくらでも働かせる人的資源があり、企業がこれに依...

01965_未払残業代事件における裁判所の対処哲学その1_企業側に立つとはいいがたい状況

裁判所は労使問題において、「常に、当然企業側に立つ」とはいいがたい、独特の哲学と価値観と思想を有しているように思われる節があります。 著者の経験上の認識によれば、裁判所には「会社の得手勝手な解雇は許さないし、従業員に対しては約束したカネはきっちり払わせる。他方で、従業員サイドにおいては、会社に人生まるごと面倒みてもらっ...

01964_法律相談(有料)における畑中鐵丸法律事務所の助言マナー

畑中鐵丸法律事務所では、助言マナーとして、・(特定の情報または知識や合理的事務フローを定めるルーティンタスクではない)態度決定課題等の正解がないタイプのテーマの助言については、必ず態度決定上の選択肢等に還元する・選択肢に還元して、プロコン(長短所)情報を付して、最終態度決定はクライアントに委ねるという対応を徹底していま...

01963_「ホニャララの訴訟に強い弁護士」「チョメチョメの分野で勝てる弁護士」の紹介を依頼をする前に考えるべきこと

「ホニャララに強い弁護士」「チョメチョメの分野で勝てる弁護士」というのは、弁護士の営業文句としてのファンタジーであり、属人的な選任で決定するような要素は極めて少ない、 と考えます(著者の四半世紀を超える程度の実務経験によりますが)。 訴訟や紛争事案対処というプロジェクトの特徴は、・正解が存在しない・独裁的かつ絶対的権力...

01962_判決後の心得

平時に聞くと、「当たり前じゃないか」と思うようなことでも、“訴訟事”の当事者になると、慌てるものです。 たとえば、”訴訟事”において、判決が出たとします。 まず、すべきことは、「即時抗告の期限」の確認です。 これこそ、 「当たり前じゃないか」と思うようなことでしょうが、“訴訟事”の当事者になると、意識が届かないのが実情...

01961_顧問契約サービスの利点

問題を抱える企業では、多くの場合、弁護士に法律相談をする時点で、すでに、諸問題が同時多発的に発生しています。 相談を受けた弁護士は、状況解析の下、リスクを明確にし、法律空間における、空間の論理・構造・法則・展開予測上の経験則(相場観)をスタディした上で、”最過酷想定”と比較しての警戒レベルを測りつつ、クライアントが正し...

01959_訴訟を起こす前のジレンマとその解消法

訴訟を起こす前(あるいは、訴訟を諦める前)、人は、次のようなジレンマに陥ります。 1 (訴訟を起こす)踏ん切りはついている2 「踏ん切り」が「ミエル化・カタチ化・言語化・文書化・フォーマル化」されていない3 明確化・形式化・フォーマル化という点での「踏ん切り」がついていない4 (陰で悪口はいえても)風化する、泣き寝入り...

01957_受任を継続する上で必須_方針確認の合意

弁護士は、受任継続するにあたっては、相談者と、・戦局の観察や評価・展開予測・今後の態度決定や方法論選択を議論し、方針を確認し、その後、方針確認書を相談者に送付することになります。 ある相談者が当該確認書を拒絶する、ということが起こりました。 その理由は、大要、「当方はクライアントなのに、このような確認によって、言いたい...

01956_契約書のドラフト作成という営み

契約書の文案の作成を依頼され、費用を頂戴し、ドラフトとして完成させ、納品をする、という営みは、弁護士であれば、ごく一般的なものです。 同契約が、具体的に、どのような形で締結されたかといった事象まで、”フォローの依頼”をされない場合があります。 そうなると、弁護士としては、具体的契約締結に立ち会うことはありません。 また...