時効というのは、ある事実状態が一定の期間(時効期間)継続したことに基づき、法律関係より事実状態を優先してしまう制度です。
よく刑事事件なんかで話題になったりしますが、民事・商事の取引関係においても時効制度は存在します。
一定期間不動産等を占有していると本来権利がないにもかかわらず権利を取得するタイプの時効(取得時効)と債権を不払いのまま放置しておいたらそのうち債権が消滅するタイプの時効(消滅時効)とがありますが、企業経営者にとって重要なのは後者です。
すなわち、債権債務が約定期限に問題なく履行されていれば問題ないのですが、担当者がぼんやりしていて、請求漏れのまま放置したりなんてことは結構あったりします。
こういう場合、時効期間が経過し、債務者が
「時効だから支払いません」
と主張(援用)した瞬間、法律上、債務が消滅してしまうのです。
商売をやっていく上では、債権が時効にかかることのないようきっちり管理する必要がありますし、反対に、ずいぶん前の債権を請求されたような場合、まず時効を検討し、時効が完成していればすかさず援用して無駄金を払わない、というような賢い対応が必要です。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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