国際契約においては、お互い仲裁地を譲らないことが多いです。
これによって、国際取引が暗礁に乗り上げてしまうことがあります。
無論、どちらかが契約交渉上に有利な地位を有していれば、力関係を通じて解決されます。
すなわち、強者が弱者に
「契約条件についてオレの言うこときけないなら、契約はヤメだ」
と要求すれば済む話です。
しかしながら、両者対等の立場ですと、調整は難航します。
ひとつの案としては、第三国を選ぶという考え方です。
すなわち、各当事者の国以外の特定の国、例えばイギリスとかスイスとかを仲裁地とする方法です。
とはいえ、当該第三国の仲裁地までの移動にかかる負荷や当該仲裁地における仲裁の質や信頼性、当該仲裁地の弁護士が確保できるか等いろいろ調査の手間がかかります。
もう1つの案としては、仲裁を申し立てる側が、相手方当事者の場所に乗り込んで仲裁するという方法です。
すなわち、当方が契約に関して文句があるときは相手国を仲裁地とする仲裁を申立て、相手方が契約に関して文句があるときは当地(例えば東京都)を仲裁地とする仲裁を申し立てる、という取り決めをして、デッドロックを解消する方法です。
参考:
00074_企業法務ケーススタディ(No.0028):国際契約での仲裁地の引っ張り合い解消法
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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