公益通報者保護法は
「従業員が企業内の不正を発見すれば、どんな場合や状況にかかわらず、ベラベラしゃべってよく、解雇もされない」
ということを定めているわけではありません。
とくに、従業員のタレ込み先がマスコミの場合、通報を正当化するためのハードルは相当高くなります。
そして、内部通報制度を設置することにより、従業員による企業内不正の外部公表行為は相当抑止されます。
すなわち、公益通報者保護法上も、企業内部の自浄を高めるべく、
「社内不正の発見に際して、上司を通さず直接経営トップに通報するための仕組(内部通報制度)」
を設けた場合、従業員は、いきなり企業内不正を外部公表するのではなく、まずは企業内部の自浄に協力すべく、内部通報制度の利用をすべきことが原則として定められているからです。
こういう消極的意義のみならず、内部通報制度が適切に利用されることにより社内の風通しがよくなりますし、不正は確実に減少することは経験上明らかです。
「不正を外に漏らさないため(内々に処理するため)」
という消極的意義だけではなく、
「不正自体を減らし自浄により企業をよくするため」
という積極的価値があることからも、内部通報制度は、
「積極的に導入すべき、現代企業においては必須の内部統制インフラ」
と言えます。
※なお、弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所では、「内部統制監視センター(登録商標)」というサービスブランドで、「外部法律事務所によるネット受付型の内部通報受理窓口受託サービス」を提供しております。受け付けた通報内容の脅威レベルについて、重大性と対応の緊急性の2つの項目により判定し、フィードバックする仕組を兼ね備えたもので、各種企業に採用いただいております。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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