00287_訴訟の勝敗は、人柄や印象や品位や常識や社会性ではなく、「文書」が全てを決する
一般の人が裁判でイメージするものといえば、サスペンスドラマでの刑事裁判で、検察官と弁護人がずらっと並んだ傍聴人をギャラリーに丁々発止のやりとりがあり、最後には、弁護人が鋭い反対尋問で証人を切り崩し、真実が明らかになり、正義が勝つ、といった内容です。 しかし、民事の事件の場合、ドラマの刑事裁判とは全く異なった様相を呈しま...
一般の人が裁判でイメージするものといえば、サスペンスドラマでの刑事裁判で、検察官と弁護人がずらっと並んだ傍聴人をギャラリーに丁々発止のやりとりがあり、最後には、弁護人が鋭い反対尋問で証人を切り崩し、真実が明らかになり、正義が勝つ、といった内容です。 しかし、民事の事件の場合、ドラマの刑事裁判とは全く異なった様相を呈しま...
大きなメーカー同士における共同開発契約であれば、互いの法的武装力に格差はなく、不平等な契約になったり、騙したり、騙されたり、といったことはまず起こり得ないかと思われます。 問題は、大企業と中小企業との共同開発ケースのように、契約当事者間に格差がある場合です。 中小企業においては、「雲の上の存在ともいうべき大企業と共同開...
共同開発とは、複数以上の企業(主にメーカー)の間において、得意な技術分野を持ち合ったり、不得意な技術分野を補完しあい、あるいは既存技術を出し合って新たな技術を生み出す目的で行われる企業間の技術交流・人的交流をいいます。 共同開発の一般的な流れで言いますと、まず、NDA(non-disclosure agreement、...
会社法には、清算と破産のハイブリッド型の手続が用意されています。 会社法510条には、「債務超過(清算株式会社の財産がその債務を完済するのに足りない状態)の疑いがある」場合には、特別清算手続が可能とされています。 この特別清算手続ですが、裁判所の監督はあるものの後見的な監督にとどまり、破産手続のように管財人が派遣されて...
かつて、上場企業の株式を買い集めた某ファンドのトップが「土地やカネをため込んで株主に還元しないなら、とっとと解散して、株主に分配しろ」と主張しましたが、会計上は永遠の生命を持つとされる会社といえども、法律上は株主の都合で何時でも解体することができます。 すなわち、株主が会社を解散することを決めれば、清算手続が開始され、...
口頭契約をドタキャンされたケースにおいて、大手企業に何らかの責任を負担してもらう方法を検討してみます。 まず、「契約準備段階の過失」という法理の活用です。 これは、契約締結に至らない交渉段階であっても、契約締結の見通しがなくなった段階で相手方に告知するなどの義務があり、これに違反したら、相手方の損害を賠償すべし、という...
2019年5月17日付日本経済新聞「中小の知財 大手が奪う 製造業以外でも深刻に 手口も巧妙化、改正法成立で提訴しやすく」と題する記事には、大企業が、巧妙な手口で、中小企業の特許やノウハウなどの知的財産を奪うやり口が克明にかかれていました。 ずいぶん前に経済雑誌で掲載したものですが、私も、同じ問題意識で、企業法務ケース...
ベンチャー企業の中には、大手企業からの指示で、大きな売り上げの見込みをエサにさんざんパイロット商品を作らされた揚げ句、担当者の「やっぱ、やめた」の一言で、突然、契約の締結を拒否され、その結果、莫大な損害を被るところが少なくありません。 こういう場合、大抵の大手企業側は、一切ペーパーを出さず、言質を取られず、責任者といっ...
取引相手と目される主体が、コンソーシアム(ある目的のために形成された複数の企業や団体の集まりのことを指します)となっている場合があります。 ですが、このコンソーシアムには、法人格があるのかないのか、一体誰がどのような責任を持って運営しているのか、法的には一義的に明確ではなく、要するに、素姓は明らかではない幽霊とあまり変...
海外企業との取引についてですが、一般に、株式市場で上場しているような著名な企業を取引の相手とするような場合、逐一素性を確認するような野暮なマネをする必要は乏しいといえます。 他方、あまり著名でない未公開の法人と取引する場合、著名法人自体ではなくその子会社や関連会社と取引するような場合、さらにはコンソーシアムとして運営さ...