取引が一定程度進行すると、
「種類物」
を引き渡すための準備として、物を梱包したり、
「〇〇社宛」
といった名札を付けたり、といった作業を行い、最終的に引き渡す物を限定していくことになります。
その結果、実際に引き渡すものが確定することになりますが、この状態を
「種類債権の特定」
といいます。
では、どのような行為をすれば
「種類物」
が
「特定」
するのかが問題となりますが、
「家具屋で購入したベッドを自宅まで届けてもらう場合」
など、契約上、引渡先まで持参することになっている場合には、当然、持参先まで届けなければ
「特定」
はしません。
他方、契約上、
「ワインを倉庫まで取りに来る」
ことになっている等の場合は、
1 「種類物」を他の物と分離し
2 これを権利者に通知することで「特定」する
と考えられています。
そして、
「特定」
した後に当該
「種類物」
が滅失してしまった場合には、もはや同じ種類の物を引き渡す義務は消滅し、他方で、原則として、物の代金を請求する権利は存続することになります(債権者主義。民法534条2項)。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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