00618_企業法務ケーススタディ(No.0209):どんなに腹が立っても高裁の和解勧告は蹴り飛ばすな!

本ケーススタディの詳細は、日経BizGate誌上に連載しました 経営トップのための”法律オンチ”脱却講座 シリーズのケース16:どんなに腹が立っても高裁の和解勧告は蹴り飛ばすな!をご覧ください。

相談者プロフィール:
株式会社スーパー・チアフル 代表取締役 安村 安雄(やすむら やすお、34歳)

相談概要:
相談者は、2年近くかかった裁判の末、一審は勝訴しましたが、相手の会社が控訴し、高裁で事件続行となりました。
そして裁判期日、裁判官は、
「一審で勝っているのは分かるが、証拠も十分でないし、我々としても不可解な点があると考えている。
解決金2000万円払って水に流すのはどうか、1億円の請求から考えればメリットがあるでしょ。
強くお勧めします」
と、和解を勧告してきました。
相談者は、 一蹴しようと、息巻いています。
以上の詳細は、ケース16:どんなに腹が立っても高裁の和解勧告は蹴り飛ばすな!【事例紹介編】をご覧ください。

本相談を検討する際の考慮すべき法律上の問題点1: 日本の民事裁判はほぼ二審制、一般民事事件は高裁が最終審
実態に即した言い方をすれば、
「日本の司法制度は、一般的な民事・商事のトラブルを処理する裁判に関する限り、今や二審制となっており、最高裁はまず出てこない」
ということになり、 その意味で高裁の権威は飛躍的に高まりました。
また、事件の6、7割程度は第1回期日で即日終結し、新たな証人尋問や論点整理は行わない、という運用が定着しつつあります。
以上の詳細は、ケース16:どんなに腹が立っても高裁の和解勧告は蹴り飛ばすな!【日本の民事裁判はほぼ二審制、一般民事事件は高裁が最終審】をご覧ください。

本相談を検討する際の考慮すべき法律上の問題点2: 和解勧告を蹴飛ばすと報復的な敗訴判決を食らう場合があるぞ!
高裁で第1回即日結審とならず、その後も審理する、ということは、
「高裁は一審の判決に懐疑的であり、ひっくり返す気持ちマンマン」
という状況が見てとれます。
また、高裁の裁判官の出してきたメッセージも重要です。
和解には、単に
「和解を検討せよ」
と、抽象的で漠とした感じで和解検討を指示するときと、
「これこれこの条件での和解を検討せよ」
と、具体的な条件を明示した和解検討を指示するときの2つがあります。
前者は拒否しても問題ありませんが、後者は明快な日本語に“翻訳”すると、
「和解をしろ」
という命令です。
以上の詳細は、ケース16:どんなに腹が立っても高裁の和解勧告は蹴り飛ばすな!【和解勧告を蹴飛ばすと報復的な敗訴判決を食らう場合があるぞ!】をご覧ください。

モデル助言:
高裁でシンネリコンネリ事件を審理したということ自体、地裁の判断をひっくり返す危険性が感じられます。
しかも、今回、和解を担当した裁判官は、2000万円、という具体的条件を明示して、検討を指示しました。
言葉は穏やかですが、これは、
「2000万円で和解しろ」
という事実上の命令です。
その命令を、空気を読まずに蹴り飛ばしたら、逆転敗訴し、遅延損害金まで食らいかねません。
以上の詳細は、ケース16:どんなに腹が立っても高裁の和解勧告は蹴り飛ばすな!【今回の経営者・安村安雄社長への処方箋】をご覧ください。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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