00729_内部統制構築の実務6:タスク(3)違反の調査

内部監査や内部通報で、違反の端緒が検出された場合、これをそのまま真に受けて、即違反者を懲戒等すると、これはこれで大きな問題となります。

内部監査については、どんなに慎重に行っても過誤は防げませんし、ましてや、内部通報については見間違いや讒言や足を引っ張るための不当な通報利用、さらには、法令や定款・規則等に違反しない単なるモラルや主観的な品位感受性の問題を通報者が騒いでいるだけ、といったこともあります。

手続保障の観点から、違反者と疑われた者に対する告知・聴聞手続きはしっかりと経由して、真相を解明するべき必要があります。

また、判明した不祥事が大規模なもので企業有事(企業の存立危機事態)に関わる事件に発展する契機を内包している場合や、トップ自身が関わっており調査や評価の中立性・客観性・独立性が求められるような場合は、いわゆる第三者委員会等の外部独立機関を設置し、調査を委託するべき場合も出来します。

なお、第三者委員会の設置・運営は、日本弁護士連合会が定める「企業不祥事における第三者委員会ガイドライン」に準拠して進めることが推奨されます。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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