00796_有事(存立危機事態)対処プロジェクトを遂行する上でのマインド・セット(心構え)とフィロソフィー(対処哲学)5:正しくチーム(組織)を動かすため、正しい命令(指示)を企画し、具体的に文書化し、しっかり伝わるように伝達する

命令(指示)は、受ける方より、発する方が大変です。

間違った命令を発すると、大きなロスやダメージが発生し、命令を行った者が罰せられます。

また、デリバリ(発令)も大事です。

命令はあくまで到達主義が基準原理になります。

受け手が理解してナンボです。

抽象的で、意味不明で、指示内容が一義的でない命令や、受け手が理解できない難解さや高尚さをもったものは、正しくない命令といえます。

企業法務においては、顧問弁護士という一種の
「外注業者」
に業務をアウトソースすることがままありますが、
「曖昧で、適当で、『あと、よろしくやっといて』的なヌルい発注」
は、時間とコストの無駄で、大概、ミスを誘発します。

なお、正しい命令(発注)とは、下記基準(SMART基準)を充足するようなものです。
◆要素1:“S”pecific(具体的に):誰が読んでもわかる、明確で具体的な表現や言葉で書き表す
◆要素2:“M”easurable(測定可能な):目標の達成度合いが本人にも上司にも判断できるよう、その内容を定量化して表す
◆要素3:“A”chievable(達成可能な):希望や願望ではなく、その目標が達成可能な現実的内容かどうかを確認する
◆要素4:“R”elated(経営課題をクリアしうる現実的な目標に関連した):設定した目標が職務記述書に基づくものであるかどうか。と同時に自分が属する部署の目標、さらには会社の目標に関連する内容になっているかどうかを確認する
◆要素5:“T”ime-bound(時間的な制約は必須):いつまでに目標を達成するか、その期限を設定する

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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