01095_アセスメント・環境整備フェーズ>法務活動・フェーズ1>文書管理(フェーズ1B)>(7)英米法体系における弁護士特権の活用

最後に、英米法(コモンロー)体系の国によっては、弁護士が依頼者から預かった文書についての絶対的な保秘権(attorney-client privilege)を有している場合があり、当該国で紛議に巻き込まれた場合、文書の保秘という点において絶大な威力を発揮します。 この点において、重要な文書は信用できる現地弁護士の保管と...

01094_アセスメント・環境整備フェーズ>法務活動・フェーズ1>文書管理(フェーズ1B)>(6)英文文書の管理

企業によっては、英文を取り扱うところもありますが、一般に英文契約等は、そのままの状態で管理される場合がほとんどです。 無論、担当者が英語に堪能であれば特段問題はありません。 しかし、後任者や上司・担当役員等の英語読解力に難があったりすると、契約問題が発生した場合など、社内でのスピーディーなコミュニケーションや対策検討の...

01093_アセスメント・環境整備フェーズ>法務活動・フェーズ1>文書管理(フェーズ1B)>(5)印紙と印鑑

文書に関しては、作成意思を明確にするため、押印が必要な場合があります。 この点、中小企業等で全ての押印を実印(登録印)で処理するところもあるようですが、契約書に押印すべき印鑑には法律上特段規制がなく(偽造等が争われる民事訴訟の場面では立証課題に差が出てきますが)、実印を用いて印影を明かすことにより偽造等のリスクも出てき...

01092_アセスメント・環境整備フェーズ>法務活動・フェーズ1>文書管理(フェーズ1B)>(4)文書の保存期間

文書の保存期間を定めるにあたっては、利用可能性を完全に喪失した時期を基準にすべきです。 一般に税務上の時効を基準として文書保存期間を定める企業が多いようですが、例えば不法行為の消滅時効の最も長い期間は不法行為時から20年にも及びます。 したがって、処分証書や重要な報告証書は、税務上の時効に基づき形式的に保存期間を定める...

01091_アセスメント・環境整備フェーズ>法務活動・フェーズ1>文書管理(フェーズ1B)>(3)文書の種類

なお、文書の種類についてですが、法律の世界で重要な分類は、1 原本か写しか、2 処分証書か報告証書か、という点です。 裁判手続における適式な証拠とは原則として原本を指し、写し(コピー)については記載された事実を立証するための証拠として信用性がないものとして扱われるリスクがあります。 その意味では、原本と写しとは明確に区...

01090_アセスメント・環境整備フェーズ>法務活動・フェーズ1>文書管理(フェーズ1B)>(2)文書の体裁

まず、企業活動を記録する文書は、体裁面で適正なものでなければなりませんが、手形や議事録など法律上形式が定まっているものを除き、5W2H(When, Who, Where, What, Why, How, and How much)に従って、事態を客観的に示したものであれば、企業にとって簡便な体裁を採用して差し支えありま...

01089_アセスメント・環境整備フェーズ>法務活動・フェーズ1>文書管理(フェーズ1B)>(1)文書管理の重要性

文書の整理・体系化・管理も企業活動の重要な業務の1つです。 何か事件が発生し、企業が自己の立場の正当性を主張立証しなければならない場合、司法・行政の別を問わず、およそ公的手続といわれる場においては、文書こそがモノをいいます。 例えば、体裁も多様で、時系列もバラバラで、記録としての即時性も継続性も一貫性もなく、保管場所も...

01088_アセスメント・環境整備フェーズ>法務活動・フェーズ1>法令管理(フェーズ1A)>(4)ノーアクションレター制度

企業が特定の事業や取引の法令適合性を調査する場合、行政機関に対して法令解釈を照会する方法(ノーアクションレターの採取)も有益です。 企業が新商品を販売したり、新事業を立ち上げたりする際、当該企業活動の法令抵触の有無が明らかでないため、行政処分や刑事処罰をおそれて必要以上に萎縮する場合があります。 特に、日本の場合、これ...

01087_アセスメント・環境整備フェーズ>法務活動・フェーズ1>法令管理(フェーズ1A)>(3)法令動向や規制環境の調査

企業を取り巻く法的リスク状況を把握する上では、業界誌情報や業界団体のセミナー等で情報収集に努め、常に業界全体の問題意識や業界内の法務対応水準を把握しておくべきです。 監督行政機関には不祥事や法令情報が集中しますので、このような点からも各種プレスリリースや違反事実・ガイドラインの公表等にはよく目を配るべきです。 また、顧...

01086_アセスメント・環境整備フェーズ>法務活動・フェーズ1>法令管理(フェーズ1A)>(2)企業活動実態調査

法的リスク管理を行うに際し、法務スタッフとしては、まず、企業全体の法務リスク環境を把握しておかなければなりませんが、法律上の課題は 「一定の事実関係に法を適用し、所定の法的効果を導き出す」 というロジックにより発見されます。 このような課題発生の構造上、企業の法的リスクの発見には、まず、前提たる事実関係、すなわち、現状...