消費者契約法5条は、
「媒介の委託を受けた第三者」
による行為についても、取消しの対象とすると定めています。
すなわち、企業が営業活動等を他者に事業委託した場合であっても、消費者から契約を取り消されるリスクがあります。
自社の従業員であっても
「強引な勧誘」
を行ってしまうリスクがあるのですから、他社の従業員においては、さらに
「強引な勧誘」
がなされるリスクが高まると考えるべきです。
営業部分について外注する必要がある場合には、この点を十分に理解した上で、外注先との契約において、
「営業担当者に対して、具体的に別冊のマニュアルを用いて、1人あたり3時間の講義を受けさせ、理解度判定テストを実施し、合格者のみに営業を実施させる」
「万一、乙の営業担当者において違法な勧誘行為がなされ、それを理由として発注者である甲が行政処分等を受けた場合には、乙は、違約罰として1件あたり金○万円を、甲に対して直ちに支払う」
などの条項を入れることを検討する必要があります。
コンシューマーセールス(消費者向営業)においては消費者保護の法令が多数存在していますが、現場の営業担当者は、法令を知らず、あるいは知りつつ、自らが安全ないし適法と判断するレベルの営業行為を実施してしまうことがあります。
その結果、消費者から取消しなどの請求を受けるにとどまらず、行政からは営業停止等の行政処分が下されることもあり、その場合に企業が蒙る損害は計り知れません。
営業担当者においては歩合によって給与が決定されることも多く、結果、
「強引な勧誘」
がなされるリスクも高くなります。
企業側においては、違法とされる行為について、営業担当者に対して徹底的な教育を行い、違法行為を抑止することが必要となります。
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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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