1 法令環境
企業が売掛債権を管理し、あるいは回収する場面においては、民法(弁済、相殺、代物弁済、債権譲渡)や、民事訴訟法・民事保全法・民事執行法、非訟事件手続法、弁護士法、仮登記担保法、工場抵当法、企業担保法、建設機械抵当法、動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律、債権管理回収業に関する特別措置法といった法令が関係してきます。
また、債権回収の場面では、債務者の財産帰属や資産隠蔽行為をめぐって、複数の債権者や破産管財人による激しい争奪戦が行われることから、民法(詐害行為)、破産法(否認権)さらには刑法(強制執行妨害罪)といった法令が関わってきます。
2 法令管理
債権回収に関しては、民事訴訟弁護技術と極めて密接に関わっており、法廷や保全・執行経験のある現場に強い弁護士の独壇場となっています。
債権回収の場面で強引な行為に及ぶと、債権者の行為は窃盗・強盗(商品引揚げ)、恐喝(弁済の強要)として問題されることもなり、債権の回収事故よりもさらに別の大きなトラブルに発展する場合もあります。実際、下記のとおり、回収のプロである弁護士ですら、行き過ぎた使命感から大きな失敗を犯す例があります。
このあたりは、法律書で書かれたものを前提に、机の上で構築したものを実行に移すのではなく、法令の調査や事案遂行方針の立案にあたっては、プロの弁護士の実務感覚もうまく取り入れて、慎重に行っていくことが推奨されます。
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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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