裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律(ADR法)により法務大臣の認証を受け、さらに、経済産業大臣から産活法上の認定を受けた者(特定認証紛争解決事業者)が、債権者債務者間の和解(私的整理)の仲介を実施する手続をいいます。
2011年4月現在、
「事業再生実務家協会」
が
「特定認証紛争解決事業者」
に認定されています。
事業再生ADRの手続は
「私的整理ガイドライン」
と類似していますが、事業再生ADRは、
「私的整理ガイドライン」
とは異なり、主要債権者の主導ではなく、特定認証紛争解決事業者が選定した手続実施者が、債務者の事業再生計画案への助言をなす一方で、公正中立な立場から債権者らに対する調査報告書を作成します。
債権者会議において全債権者が再生計画案に同意すれば、その時点で私的整理が成立して、計画に従った弁済が実施されます。
事業再生ADRにおいても、債権放棄をした債権者については、資産の評価損を損金算入することができると考えられています。
もし、全債権者が再生計画案に同意しなかった場合には、特定調停ないし法的再生手続に移行することになります。
なお、事業再生ADRが不調に終わり、裁判所における特定調停手続に移行した場合には、通常は複数の調停委員が調停を実施するのが原則であるところ、裁判所は、ADR手続が既に実施されていることを考慮した上で、単独の裁判官のみによる調停を行うことを選択できるため、手続を早く進めることが可能になります(産活法49条)。
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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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