01376_倒産・再生法務>特殊な課題・新たな課題>新設分割制度の濫用事例

1 新設分割による事業再生手法 会社法施行後、債務超過会社であっても会社分割が可能であるとされたために、事業再生の一手法として、会社の健全部門を取り出して、新設分割の手法を用いて新たな会社を設立する方法が見られるようになりました。 この方法によれば、債務超過である会社Aは、優良部門だけを分割して新会社Bとし、負債につい...

01375_倒産・再生法務>特殊な課題・新たな課題>会社更生法の新たな運用その2

3 商取引債権の保護 更生手続開始後に事業の経営のために必要となった費用については、共益債権として優先的な弁済を受けることができます(会社更生法127条2号)。 例えば、更生手続開始後に航空会社が購入した燃料代金については、優先的に支払われるため、燃料会社は比較的安心して燃料を販売することができます。 ところが、更生手...

01374_倒産・再生法務>特殊な課題・新たな課題>会社更生法の新たな運用その1

1 会社更生の選択をためらう理由 抵当権や租税債権などについてすらその行使を制限する強力な再建方法であるにもかかわらず、会社更生は利用されることが少ないばかりか、利用されるとしても、再建が困難な状態に陥ってから申立てが実施されるというケースが多く見られます。 この原因の1つとして、自らの経営権を手放したくないのが通常の...

01373_倒産・再生法務>倒産・再生法務(フェーズ4)>有事対応フェーズ

1 公平性・透明性の遵守 倒産等の現場においては、何より公平性・透明性が要求されますので、戦略面で知恵を絞って資産の避難や抜け駆けしようとしても、そのような行為は、詐害行為取消権行使や否認権行使の対象となり、後日、全て否定されてしまうことがあります。 さらに、場合によっては、詐欺破産罪などで、刑事上の訴追を受けるリスク...

01372_倒産・再生法務>倒産・再生法務(フェーズ3)>予防対策フェーズ>経営者が破産する場合の免責

破産者が破産開始決定の前後に以下の行為を行っていた場合には、破産をしたにもかかわらず免責が受けられなくなり、引き続き債務を負担し続けることになるため、注意が必要です。 運営管理コード:CLBP527TO528 著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所 【本記事をご覧になり、著者・所属法人にご興...

01371_倒産・再生法務>倒産・再生法務(フェーズ3)>予防対策フェーズ>法的整理における刑事罰

破産法、民事再生法、会社更生法においては罰則が定められています。 実際、2010年6月、民事再生を申立てた(後に職権で破産手続に移行)ノンバンク(消費者金融業も行う)の代表取締役が、民事再生手続申立直前に、債権者を害する目的で財産を隠匿していたとして、詐欺再生罪(民事再生法255条)違反の疑いで逮捕され、その後起訴され...

01370_倒産・再生法務>倒産・再生法務(フェーズ3)>予防対策フェーズ>否認権

債務者(会社の経営者を含みます)は、法的整理に入る前の段階で、将来の再起のため、ないしは代表者個人のため、往々にして、資産を隠匿したり、特定の債権者(親族や暴力的な債権者、あるいは再起に協力してくれるような債権者)に対してだけ優先的に弁済を行ったりしがちです。 このような事態を放置すると、「(企業再建のために)利害関係...

01369_倒産・再生法務>倒産・再生法務(フェーズ2)>経営政策・法務戦略構築フェーズ>手続きの選択など

イグジットの決定及び利害関係者の動向が確認できた次の段階では、具体的にいかなる手続を選択するかについての検討を行います。 一般的に、抵当権等の担保権が事業継続に不可欠な資産に設定されている場合や、公租公課の滞納状況が多額の場合には、私的整理や民事再生の選択は困難となりますが、専門家と具体的客観的データをもとに検討を実施...

01368_倒産・再生法務>倒産・再生法務(フェーズ2)>経営政策・法務戦略構築フェーズ>利害関係人に関する情勢の動向の把握

1 従業員 退職をしてもらうのであれば、退職金が必要となり、残ってもらうのであれば、今後の給与カットや、リストラ後の労働量の増加などについて、理解を得る必要があります。 再建を目指すのであれば、さらに、残ってもらいたい人材が誰であるのか、残ってくれるのか否か、残ってもらうためにはどのようなコストが具体的に必要となるのか...

01367_倒産・再生法務>倒産・再生法務(フェーズ2)>経営政策・法務戦略構築フェーズ>イグジットの想定(清算か再生か)

企業の倒産・再生という事態に至る前段階ないし事態に直面した段階においては、いかなるイグジット(出口)を目指すのかという、おおまかな戦略を決定してから、その戦略に適合する企画を立案していく必要があります。 目指すべきイグジットを客観的な事実を前提として決断しないまま、その場凌ぎの融資を受け続けることは、会社及びその保証人...