01369_倒産・再生法務>倒産・再生法務(フェーズ2)>経営政策・法務戦略構築フェーズ>手続きの選択など

イグジットの決定及び利害関係者の動向が確認できた次の段階では、具体的にいかなる手続を選択するかについての検討を行います。

一般的に、抵当権等の担保権が事業継続に不可欠な資産に設定されている場合や、公租公課の滞納状況が多額の場合には、私的整理や民事再生の選択は困難となりますが、専門家と具体的客観的データをもとに検討を実施するべきです。

倒産手続を利用する際には、弁護士や税理士に対するフィーの他に、裁判所に支払う予納金が必要となります。

予納金の額はケースバイケースですが、特に会社更生手続を行う場合には高額となり、数千万円にのぼることがあります(破産手続の場合は、弁護士が代理で破産を申立てて、かつ、事務処理内容が簡易な場合には、予納金を原則として20万円とする、いわゆる少額管財の制度が東京地裁にて行われています)。

通常、中小企業においては、経営者個人が会社の債務について個人保証をしている場合が多いため、会社が破産する場合には、経営者個人の破産も検討する必要があります。

旧商法では、破産は取締役の欠格事由であったため、復権するまでは、他の会社の取締役に就任することができないというデメリットがありました。

しかし、会社法331条は、取締役の欠格事由から破産を除いているため、会社法との関係では、破産しても、すぐに他の会社の取締役に就任することができます(ただし、金融商品取引業など、復権するまでは取締役になれないとの規定が業法に存在する場合があるため、注意が必要です)。

倒産処理手続としては一般的ではなく、法的整理メニューとして利用実績の乏しい特別清算は、
「上場企業が経営不振の子会社等を目立たないように整理したい」
という場合、活用することができます。

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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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