01388_M&A法務>M&A法務(フェーズ0)>課題概要と全体構造>課題と対応の基本>友好的M&Aと敵対的M&A

敵対的M&Aとは、相手方経営陣の同意を得ないまま株式等の購入を進めることにより経営権を奪取することをいいます。

このような手法が採れるのは、対象企業が公開会社であり当該企業の株式を容易に入手できる環境が必須の前提となります。

すなわち、敵対的M&Aは、株式を公開している企業に対して、TOB(株式公開買付け)を行うことで実現されます。

ところで、M&Aにおいては、シナジー効果の分析において、買収する側・される側双方の協力による精級な分析が前提となるため、双方の経営陣が明確に合意してM&A手続を進めていく事例が大半を占めます。

反面、買収される側の正確で協力的な情報提供がない形でなされる敵対的なM&Aは、成功する確率が非常に低いといえます。

【図表】(C)畑中鐵丸、(一社)日本みらい基金 /出典:企業法務バイブル[第2版]
著者: 弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

さて、企業を買収する際には、買収の対価が必要ですが、いかに合併等対価の柔軟化が進んだとはいえ、自己資金のみで買収を行うことは困難なことが多く、通常は、金融機関等から買収資金を借り入れることとなります。

しかし、金融機関等は、友好的買収と敵対的買収とでは上記のように成功率が極めて大きく異なることから、
「M&Aについて買収対象企業の取締役会が異議なく賛同の表明をしていること」
をファイナンスの条件として要求します。

この
「買収対象企業における取締役会の賛同」
という点に関して特異な経過を辿った事件として、シャルレのMBO事例があります。

この事件は、MBO(経営陣による自社の買収)の実現手段としてTOBが行われましたが、取締役会は当初賛同していたものの、その後TOBに反対する立場をとり、結果、ファイナンスの前提が崩れ、TOBが失敗した、というものです。

運営管理コード:CLBP544TO546

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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