株式会社は
「法人」
の代表選手ですが、法人というのは、法務局備え置きの登記簿上でしか確認できない幽霊のような存在に過ぎず、お情けで法律上の人格を特別に認めてあげているものです。
そもそも
「法人」
とは、フツーの人間と違い、法律上のフィクションで人として扱うバーチャル人間のことをいいます。
とはいえ、ご承知のとおり、現代経済社会においては、株式会社は普通の人間様をはるかに凌駕する体格(資産規模)も腕力(収益規模)を有する巨大な存在になってしまっています。
となると、
「こういう巨大な存在のオーナーや運営責任者は、何か問題が起こったら法人に連帯して相当シビアな責任を負うべき」
とも考えられます。
ところが、オーナーもマネージャーも含め、誰も責任者がいない、というのが現実です。
要するに、株式会社とは、
「存在は中途半端だわ、体格もデカく、腕力も馬鹿みたいに強いわ、その上、大暴れして迷惑かけても誰一人責任取らないわ」
と無茶苦茶な存在なのです。
会社が破産しても、社長も連座して破産するとは限りません。
以上のとおり、会社が破産しても、
「“有限責任”しか負わないオーナー」
や
「ビジネスジャッジメントルールにより免責される社長」
が連座させられて破産の浮き目をみることは、原則としてありません。
(つづく)
運営管理コード:HLMGZ19-4
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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